第二幕その八
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れは」
「いえ、僕にもわからないんですがね」
こうした場では本来有り得ない程の非常識な返事が返って来た。
「何が何だか」
「そんなわけがあるか!」
「君は出し抜いたのだろう!」
「いや、出し抜くも何も」
今にも掴みかからんばかりの四国の者達に対して言う。
「僕も今はじめて知ったことで。そもそも」
「では皆様」
ハンナが強引に言ってきた。
「フランス風に。エレガントに参りましょう」
「ふん、誰が」
「全く」
四人は真っ先に反対を述べてきた。
「そんなものの何処が面白いのか」
「願い下げですぞ」
「やはりここは我が国の」
「いやいや我が国の」
「どれにしろ同じじゃないか」
男爵は四人の話を聞いて一人言う。
「しかしこれは」
カミーユはまだ戸惑っている。その中で述べる。
「僕が結婚などと」
「それはどうでしょうか」
しかしハンナはそれには悪戯っぽい笑みで返す。
「果たしてどうなるか」
「どうなるかとは?」
「何かおかしいですぞ」
「おかしくはありませんわ」
ハンナはまた軽い調子で四人に返す。
「殿方が右と言えば女性は左へ。それがフランス風なのですから」
「左様ですか?」
「いいえ」
カミーユは男爵夫人の問いに首を横に振る。
「初耳です」
「そうですよね。何が何だか」
「ここは落ち着こう」
ダニロはその中で一人独白していた。
「さもないと余計にな。大変なことになる」
そう言ってハンナに顔を向ける。冷静さを保ちながら声もかける。
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