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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百五十六話 寝返り
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救ったと思っているのかもしれない、点数を稼いだと。だが現時点でルビンスキーが寝返った事に余り価値が有るとは思えない。九分九厘、帝国による宇宙統一が見えているのだ、帝国にとってルビンスキーの存在は或る意味お荷物だろう、敵でいてくれた方が身軽で良いくらいだ。もっともルビンスキーとしては自分に価値が有ると思いたいのだろうが……。
どうせ裏切るのであれば内乱の時に裏切るべきだった。そうすれば皇女誘拐も無ければバラ園での襲撃事件も無かった。ブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯は辺境で生きていただろうし内乱はかなり小さな規模のものになったかもしれない。生き残った貴族達に対しては軍の力を示すだけで既得権益を縮小させる事が出来ただろう。
ラインハルトも死なずに済んだかもしれないな。オーベルシュタインとキルヒアイスを処断しラインハルトは爵位を剥奪の上、軍から追放。アンネローゼも同様に爵位を剥奪の上、後宮から追放する。いやオーベルシュタインとキルヒアイスは無期懲役でも良いな。生きているという希望を持たせた方がラインハルトを自暴自棄にさせずに済むだろう、大人しくなったはずだ。
フェザーン方面でも帝国と組んで同盟を劣勢に立たせる事が出来たはずだし地球教対策でも大きな役割を担っただろう。そうであれば誰もがルビンスキーの功績を認めたはずだ。必要以上に血を流さずに済んだ、混乱せずに済んだと。油断ならない男だが敵に回すよりは味方につけて利用した方が良いだろうと……。
地球教に引き摺られたな。原作でもそうだがルビンスキーは地球教に引き摺られて自分の考えで動けなかった。彼が地球教と縁を切ると決めたのもフェザーンに帝国軍が侵攻してからだった。こっちの世界と同じだ、フェザーンの自治領主という強い立場を失ってからだ。遅いんだ、地球教に引き摺られている。
地球教の野望とフェザーンの繁栄は最終的には共存できない。その事はルビンスキーも早い時点で分かっていただろう。もっと積極的に動いて主導権を握るべきだった……。少なくともシャンタウ星域の会戦以前、原作ならアムリッツア会戦以前に地球教から独立していれば随分と違ったはずだ……。
ルビンスキーの本質は乱世には向いていなかったのかもしれない。本人は自分を乱世向きだと思っていたかもしれないが本当は平時向きだったんじゃないかと俺は思う。気質と才能が一致していなかった、ロイエンタールと同じだ。ロイエンタールは反逆者として、ルビンスキーは人騒がせな陰謀家で終わってしまった……。
いかんな、詰まらんことばかり頭に浮かぶ。とりあえずルビンスキーにはフェザーンで騒ぎを起こさせる。その騒ぎに乗じて奴を始末するのがベストだな。まあ向こうもその辺りは用心しているだろうから結構厳しくなりそうだ……。
ルビンスキーの手駒は何かな、ランズベル
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