アインクラッド編
踏み出す一歩
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輝く直剣。
片手剣カテゴリのロングソード。
キリトから譲り受けた、戦うための刃。
サチはボス目掛けて駆けだした。
同時に、テツオが両手で持ち上げたメイスを大上段に構える。
あれは。
技後硬直時間の長さもさることながら、予備動作が信じられないくらい大きく、避けられる確率が高すぎて使い物にならないとテツオが嘆いていた、メイス単発重攻撃―――・・・・
「うおおぉっ!!」
乾坤一擲。
血色のライトエフェクトを纏ったメイスが振り下ろされた。
ドガンッ! と盛大に音を撒き散らしながら頭部にクリティカルヒット。
目に見えるほどはっきりとボスのHPバーが減少した。
付け加えて、ボスの頭の周りに回転するおぼろな黄色い光。
強力な攻撃を受けた場合、一定確率で発生する一時的行動不能バッドステータス、〈スタン〉。
ケイタとダッカー、ササマルのソードスキル第2撃がボスを襲う。
両手棍が、短剣が、長槍が。
各々の得物がライトエフェクトを輝かせながら叩き込まれていく。
動けるようになったアスカも追撃をかける。
他の3パーティーはボスの回転攻撃で動けない。
ここで終わらせなければならない。
もう一度、ボスに反撃される前に。
全員で生き残るために。
追いついたサチ。
手に持つは、長槍に比べれば間合いの短い武器である片手剣。
つまり、攻撃しようと思うなら、いつも以上の更なる踏み込みが必要。
それは、今まで何度も失敗してきたことだ。
恐れ、怯え、逃げてきた。
しかし。
もう、逃げない!!
その一歩をサチは躊躇いなく踏み込んだ。
大型モンスターに有効な3連重攻撃〈サベージ・クルフラム〉が、ボスの頭部を深々と抉る。
ついに、ボスのHPが残り数ドットとなった。
今この場にいる6人は動けない。
ボスは〈スタン〉状態から回復しようとしている。
けれど、サチは慌てていなかった。
ボスが〈スタン〉状態から回復しようとしている。
なら、ボスより先に〈スタン〉状態に陥っていたプレイヤーは――――
「はあああぁぁぁっっっ!!!」
黒衣の剣士――――キリトが背後からサチを抜き去った。
突進剣技、〈ソニック・リープ〉。
その剣先が、まさに動き出さんとしていたボスのクリティカルポイントを貫いた。
「ぎぃ・・・・が、ガアアアアアアァァァアアアアァァアッッッッッッッッ!!!」
一際大きな絶叫。いや、断末魔がボスの口からとどろいた。
HPバーが完全に消滅したと同時に、バシャン! と、今までサチが対峙してきたモンスターの中で圧倒的巨?を有していたフロアボス、〈ファランクス・タートル〉の体は部屋中を埋め尽くさんばかりに無数のポリゴン片となり、消えた。
開始から約30
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