第二幕その四
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「閣下、生憎ですが私は」
今度はハンナがかわしてみせた。ダニロの言葉が自分に向けられているのは承知だ。
「その四分の一さえ惜しいのです」
「おや、それは身持ちの固い」
「そうですのでそれはお断りします」
「では私も今回はお勧めしません」
「ええ。それでは」
「はい」
そんなやり取りを続けていた。そんなことをしている間に邸宅の中の一室で何時の間にかカミーユと男爵夫人がこっそりと密会していたのであった。
「奥様、ここでしたら」
「あら、何でしょうか」
言い寄るカミーユに対して楽しげに顔を向ける。
「二人きりでお話できますね」
「けれど何故二人で?」
「お分かりだと思いますが」
夫人ににこりと笑って述べてきた。
「もう」
「さて、私は」
しかし男爵夫人はその問いにとぼけてみせてきた。
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