機動戦士ガンダムSEED
0184話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
オーブに技術協力員として招かれ、連れてこられた場所。司令部とも言えるその部屋からは3機のM1アストレイの姿が見えていた。
「アサギ、ジュリ、マユラ」
「はーい」
エリカの呼びかけに3人の声が返ってくる。この3人がいわゆるアストレイ3人娘なのだろう。
「あ、カガリ様?」
「あら、本当」
「なぁに、帰ってきたの?」
そんな通信が聞こえてくる。その口調はカガリを様付けで呼んではいるが仲がいいのだろう、どこか気安い態度に感じる。
「悪かったな」
「始めて」
ふてくされたようなカガリの態度に構わず、エリカが命令する。
「はい」
そう答えて動き出したM1アストレイだったのだが、一歩進むのに数秒掛かり、格闘戦でもしているつもりなのだろうが演舞の如くゆっくりとした肘討ちを繰り出している。その鈍くささは、それこそ亀の如くと表現するのが正しいだろう。
カガリもその様子を見ながら、呆れたように口を開いた。
「相変わらずだな」
「これでも倍近く速くなったんです」
その言葉に思わず顔を見合わせる俺とキラ。
「……これで、か?」
「ええ。Gのパイロットとして正直な感想を聞かせて貰える?」
「えっと……アクセルさんお任せします」
ちゃっかりと俺に答えを振るキラ。その様子に苦笑を浮かべながら肩を竦める。
「敵の的以外の何物でもないな。これならまだメビウスやスカイグラスパーなんかのMAの方が役立つだろう」
「ひっどーい! ちょっと自分がMSに乗れるからって!」
俺の言葉が聞こえていたのか、通信から不満の声が聞こえてきた。
「その、アクセルさんは言い過ぎだと思いますが……これで戦場に出るのはちょっと」
キラもやはり俺と同じ意見らしい。少なくてもこのM1アストレイ相手ならグラスゴーでも有利に戦えるんじゃないだろうか。
「ほらほら、気を抜くとまた転ぶわよ。……2人の言ってる事は残念ながら事実よ。だから、私達はアレをもっと強くしたいの。ストライクやブリッツのようにね」
「え?」
「キラ君にお願いしたい技術協力というのは、アレのサポートシステムのOS開発よ」
「こうして見る限りでは、機体自体の完成度はそれなりに高そうだが……」
よろよろと動いているM1アストレイの様子を見ながら、前々から気になっていた事を尋ねてみる。
「シモンズ主任、M1アストレイを見ていて疑問に思った事があるんだがいいか?」
「ええ、何かしら? それとこれからは一緒に仕事をするんだしそんな堅苦しい呼び方はしないでいいわよ」
「分かった。では以後エリカと呼ばせてもらおう。それで先程聞いたオーブの理念云々を考えるに、基本的にこのM1アストレイは防衛用のMSと考えていいんだな?
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ