過去と異世界
スティグマ
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費するとか。それって結局何をしているのかよく分からんな。
「原子球は生命体たが見た目は黒いボールなんだ。
捕食もしないし危害も無い。ただ、体ン中に沢山の種類の原子を詰め込んでるから、それは俺達にとってはとてつもなく貴重な資源になるんだ」
とてつもなく貴重な資源。要するに生命体とは言っているがどんな原子でも取り出せる便利なアイテムって訳か。
「ほぉ〜」
要は油田が見付かった的な奴だな。油田より相当スゴそうだけど。
「で、結局何が大変なんだよ」
結局よく分からないままだし。しかしサンソンは、さも当たり前だと言わんばかりにこう答えた。
「とても有能で貴重な資源だ。これからそれを巡って争いが起きるぞ」
争いと聞いて何だかただならぬ感じがしたので詳しく聞くと、過去にもたった一つの原子球を巡って国同士が争った事があったらしい。
その時発見された原子球は特別大きくて貴重なものだったらしいが、そもそも原子球自体がとてつもない価値を秘めているとのこと。
「今回のはそれほど大きくはないが、大切な資源だ。奪い合いになる可能性は大いにある」
サンソンはそう言うが、俺はまだ不思議に思う点があった。
「だったら避けて通れば良いんだろ?少しくらい遠回りしたところで、レミングスには関係ないだろう」
そう、彼らの旅は特に目的がない。ただ一所には留まれないから移動しているだけなのだ。が、サンソンは困った顔で答える。
「いや、そうも言ってられんのだ。食料や消耗品はもう底を尽きかけている。その村を飛ばしてしまうと、多分この先の平原は抜けられない」
おぉ……それはなんとも大変な話だ。……じゃなくて!ちゃんと備えとけよ!
転ばぬ先の杖!備えあれば憂いなし!石橋を叩いて渡る!……あっ、最後のは逆の意味だわ。
とにかくもうこうなっては仕方ないな。厄介事に巻き込まれなければ良いが……。
「まぁ、全ては族長が決めることだ。スティグマが来てなければ良いがな……」
と、サンソンは締めくくる。が、また知らない単語だ。
「あの、スティグマって……」
「俺達と同じ様な奴らだよ。俺達レミングスは流動の矛盾から生まれたと言っただろ?
スティグマはまた別な矛盾を孕んだ一族だ」
レミングスみたいなのがまだいるってのか。
「ほぉ、どんな矛盾だ?」
「物質の創造と、風化の矛盾だ」
「な、なんか強そうだな……」
特に創造とか、程よくチートな香りがしますぜ。
「あぁ、奴らの能力はその辺の神器より使えるよ。しかも好戦的だから恐いんだ」
「そりゃ怖い!」
確かに本当に怖い!マジ勘弁!
と、俺の心境には全く気付かない様子でサンソンはレミングスの族長に
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