第二幕その一
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男爵は首を傾げて言う。
「いつも」
「そうだね」
ここで誰かの声がした。
「いつもね」
「そうなのですよ・・・・・・ってこの声は」
声がした右の方を見た。するとそこに彼がいた。
「閣下、探していましたぞ」
「僕はさっきからここにいたけれど?」
「またそのようなことを」
顔を見合わせてそれを否定する。
「ふざけられては困ります」
「全くです。宜しいですか、閣下」
秘書も口を尖らせて言ってきた。
「そもそも閣下は」
「実は面白い話を聞いてね」
ダニロはここで話題を転換させてきた。
「面白い話!?」
「あのフランスの外交官」
「ああ、カミーユさん」
「そのカミーユ君が恋をしているみたいだね」
「そんなことですか」
男爵はそれを聞いてがっかりした顔になった。
「誰だって恋はするでしょう」
「ところが相手はどうやら人妻らしい」
「それもまたよくあることでは?」
男爵はそれを聞いても平気な顔であった。自分のことだとは全く思わない。
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