第四話「RG−T(上)」
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;#039;s Eye Systmeと言い、略して『ONEシステム』と呼称している。ニンフの『P‐ステルスシステム』のようにタナトス固有の能力だ。
そこに在るものをそのまま目にすることが出来るこのシステムはあらゆるな偽装を一目で見抜くことが出来る。
タナトスの目にはRG‐Tのステルスシステムなどあってないようなものだろう。
「ロボット? 随分アナログだけど、何故こんなところにあるのかしら」
顔の部分を覗きこまれる。画面にタナトスの整った顔が大きく映し出された。
どうやらただの人形だと思い込んでいるようだ。しかし、アナログとは失敬な。機構がむき出しの風貌がまさに「ロボット」という感じでいいんじゃないか。
ムカッときた俺は『A』を長押ししながら『Enter』を押し、RG‐Tの腕をロケットのように飛ばした。
この時、何も動作をさせないでやり過ごすべきだったのだ。
今まさに、この時を以て、俺の辿るべき運命が決まったのである。
「痛っ」
肘部から先が切り離され、目標に向かって真っ直ぐ飛ぶRG‐Tの右腕が、タナトスの鼻梁に直撃した。
「どうだっ! ロボを馬鹿にした報いだ!」
幾分か溜飲が下がった俺は得意気になって胸を反らすが、カメラに映ったタナトスの形相を目にして一気に血の気が引いた。
「――ふっ……ふふふふふ…………そうですか……こんなことをするのはご主人様ですね?」
普段のタナトスを知る者なら、今の彼女を目にした途端何も言わずに回れ右をするだろう。
ニコニコと常に笑みを浮かべていたその顔は能面のように無表情。口からは地の底から響くような低い笑い声が次々と零れ出ている。
これは、タナトスがキレる前兆だ。レッドゾーンの一歩手前である。
「あわわわわっ」
思わず気が動転してしまった俺は迂闊にもロボの腕を飛ばしてしまった。
「痛っ!」
またしてもRG‐Tの右腕がタナトスの鼻に命中した。
「……ご〜しゅ〜じ〜ん〜さ〜まぁ」
「あばばばばばば」
ハイライトの消えた目が画面にドアップする。メキメキとタナトスの握りしめたロボから不吉な音が聞こえた。
このままでは俺とRG‐Tの命が危ない。嘗てないほどの生命の危機に晒された俺はRG‐Tに内蔵されているシールドを起動させた。
不可視の透明な壁がRG‐Tを中心に球状に広がり、タナトスを吹き飛ばした。
「きゃっ」
「――脱出!」
その隙を見逃さず、すぐさまロボのスピードを全開にして逃走を図る。時速一万キロと
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