第四話「RG−T(上)」
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「ふむ……『P‐ステルスシステム』起動」
『Fn』を長押ししながら『P』を押す。ニンフに搭載されているステルスシステムを起こし、背景に溶け込むようにRG‐Tは姿を消した。
『P‐ステルスシステム』を起動するとジャミングシステムも連動する仕様となっている。そのため熱源探知や電磁波探知で感知される心配もない。
無色透明となったRG‐Tを角から踊り出して前進。アストレアの後ろに移動させると『Space』を押して録画を開始した。
ロボの胸奥にあるマイクロディスクが静かに起動し、眼前の光景を鮮明に記録する。
「……」
――開けた視界には純白の布地があった。
イカロスたちエンジェロイドはユニフォームとしてそれぞれ異なる衣服を身に付けている。胸元が大きく開いたボンテージ風やセーラー服風、修道服やチャイナ服のような物だったりと、科学者の変態性が窺える服装ばかりだ。
しかし、最近になってエンジェロイドたちの間で、若者の人間たちが好んで着るような服を身に付けている姿をよく目にするようになった。皮肉なことに俺の暗黒期――前回のイメチェンがこのブームを呼んだらしい。
オシャレをするようになったエンジェロイドたちだが、それはこのアストレアも例外ではない。今の彼女はロングのシャツにチェックのスカートというラフな服装だ。
そして、RG‐Tの身長は三十センチ。対してアストレアの身長は一六〇センチ。
つまり、ロボの背丈だと、アストレアの下着が丸見えなのである。
「……」
『Fn』を長押ししながら『↑』を押す。
RG‐Tは忠実に指令を実行。内臓カメラをズームしてその輝かんばかりの純白の下着を画面一杯に映し出した。
「――うむ」
何がうむ、なのか自分でもよく分からないが、この上ない満足感を覚えた。
アストレアは鼻歌を歌うばかりで特に面白い場面を見ることは出来そうにない。尾行を中断し回れ右をして違う場所に移動する。
「お?」
不意に何かの影がカメラに映った。RG‐Tの視点を操作して上を向く。
「……オーマイガー」
カメラに映し出された人物を見て思わず呻く。拍子のあまりにアメリカ人のようなリアクションを取ってしまった。
「あら、なにかしら?」
そこにいたのは皆の心の母。我らが最強エンジェロイドのタナトスさんだった。
『P‐ステルスシステム』は正常に稼働している。にも拘わらずタナトスはひょいっとRG‐Tを拾い上げた。
「しまった、『ONEシステム』か!」
正式名称をOne's Mind&
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