暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
無印編 破壊者、魔法と出会う
7話:赤き龍騎士と高速のカブトムシ
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味深いですねぇ…!」
そこにどこからか知らない男の声が響き渡る。四人は声が聞こえた方向である、林へと顔とそれぞれの持つ武器を向ける。
「そしてこの世界の魔導士。その名の通り、魔法を使う人間ですか。これも非常に興味深いですねぇ」
「あなたは一体…」
その木々の向こうから聞こえる声に、一番近くにいたなのはが疑問を投げかける。
「私ですか?私は、そうですねぇ…」
声の主は生い茂る林を抜けながらこちらに近づいてくる。
「ただの一介の内科医ですよ」
「「「「っ!?」」」」
林から抜け出した声の主の姿は、人間の姿ではなかった。その体は白い鎧のようなものに包まれており、所々には天気を模したマークがある。頭の上には侍のちょんまげのようなものがあり、顔は仮面で覆われている。
明らかに、この世に存在することのない異形の者だった。
「ふふふ、いいですねぇその顔。少しばかりそそられますねぇ」
「っ……」
「怪人…!」
近くにいるなのはとユーノは息をのむ。怪人という存在に合ったことのないフェイト達は、何がなんだかわからない表情で身構える。
「さて、私が受けた任務は既に終えましたが…やはり気になりますねぇ。魔導士、魔法使いというのに」
「「「「…………」」」」
現れた怪人の言葉を、黙って聞く四人。何が起きても、対応できるように気を引き締める。
「これは私のわがままですが…一緒に来てもらいますよ。あなた達に」
「「「「っ!?」」」」
そして再び空を覆う暗雲。そして怪人は空を指差し一撃を放とうとしている。
「まずは…そこのお嬢さんから!」
「っ!!」
そして怪人が振り下ろした指の先にいるのは、フェイトだった。
暗雲から放たれた雷がフェイトへと向かう。フェイトはいち早くその攻撃の気配を感じ、後方へと避ける。放たれた雷は地面へと命中する。
「フェイト!」
「逃がしませんよ!」
怪人の声でさらに雷が落とされる。フェイトはそれを素早く避けていく。
「やりますね。ですが…」
怪人はそこで言葉を切る。するとそこにいた筈の怪人の体が揺れた。
「まだまだ甘いですよ!」
「っ!?」
次に聞こえたその声は、フェイトが避けている方向だった。どうやら、何らかの方法で先回りしたようだ。
そして怪人は右手の手の平を避けている途中のフェイトへ向ける。その手の平には小さな雲があり、帯電していた。
「はぁっ!」
「っ!しまっ…」
怪人は自らの力を解放し、雷を回避中のフェイトへと放つ。フェイトはその光景に恐怖し、目をつぶる。最後に映った光景がまぶたの裏に映る。
だがそれは、雷が向かってくる光景ではなく、赤い体を持つ誰かの背中だった。
ドゴォ
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