拠点フェイズ 1
劉備・関羽・張飛
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するのだ!」
「そういうこと。そういった自分の隙を少なくして、相手の隙をつくのを技術っていうのさ」
「なるほどー、頭いいのだ!」
鈴々が興味心身にこちらに顔を近づける。
「もちろん、相手の力が強ければ剣が押し切られたりする。逆に相手が早ければ避けても攻撃する前に体勢を整えてしまう。相手と自分が、どこが秀でて、どこが劣るのかを見極めるのも強さなんだよ。まあ、それは鈴々ならわかっているだろうけど」
本能で、とは可哀想なので言わないでおく。
「だから鈴々は技術を高めればもっと強くなれるよ」
「…………」
「鈴々?」
あれ? 黙っちゃった。もしかして心の声読まれた?
「お兄ちゃん」
「うん?」
「やっぱり、お兄ちゃんがご主人様になってよかったのだ!」
「は!? ナ、ナニヲイッテルノデスカ、リンリンサン」
いきなり鈴々にご主人様とか言われて固まる俺。
いや、固まるだろ。お兄ちゃんだったのがご主人様っていわれりゃ!
「お兄ちゃんが鈴々を鍛えてくれれば、鈴々はもっと強い武将になれるのだ! そうすれば桃香お姉ちゃんの夢にもっともっと近づくのだ! だから鈴々はおにいちゃんをご主人様と呼ぶのだ!」
「だめ! それだめ! 俺の心のオアシス……もとい、安定の為にだめ!」
「にゃ?」
桃香と愛紗だけでも恥ずかしいのに、その上鈴々みたいな小さい子にご主人様なんて言われてみろ!
この世界での世間体がどうだか知らんが、俺が嫌だ!
「鈴々はお兄ちゃんのままでいいの! あれは二人だけ! だからそのままで通して、お願いっ!」
「にゃあ……残念なのだ」
「ま、マジやめて……勘弁して。心臓に悪いわ」
本気で涙目になりそうだった。
考えてほしい。一刀が目覚めてこんな子にまでご主人様といわせる俺……あいつの目が怖いわ!
いや、桃香や愛紗のも認めたわけじゃないんだが……あれはもう否定しても無駄というか、なんというか。
「にゃぁ〜……じゃあお師匠様。お師匠様なのだ! これならいいでしょ?」
「おし……? む、むぅ……まあ、ご主人様よりは……」
「じゃあ、お兄ちゃんはこれからお師匠様なのだ!」
「あいや、またれい! 鈴々、その呼び方は鍛錬のときだけな! 二人だけの秘密だ、弟子よ!」
「にゃっ!? 弟子! 弟子かぁ……わかったのだ、お師匠様! 二人で鍛錬のときだけそう呼ぶのだ!」
「うむ、励めよ、弟子よ!」
「にゃっ、わかったのだ、お師匠様!」
「うむ!」
そうして笑う俺たちは気づかなかった。
この現場を星に見られていたことに。
「これはおもしろい……さて、この秘密はメンマ何壺になるのであろうな」
その日のうちに秘密は秘密でなくなったようだ。
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