拠点フェイズ 1
劉備・関羽・張飛
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」
バランスを崩す鈴々の背中に向け、すかさず戻した足を踏みしめて肩から体当たりをする。
よくいう「鉄山靠」という技だ、
「にゃあああっ!」
手加減をしたため、大したダメージにはなってないのだろう。
くるくると一回転して地面に落ちた鈴々は、その反動ですぐに立ち上がった。
「ううん、お兄ちゃん、強いのだ」
「あまりなめちゃダメだぞ、鈴々。今の手加減しなきゃ下手すれば大怪我だぞ?」
「わかってるのだ! 今度は負けないのだ!」
「さあ、こい!」
「うりゃりゃりゃりゃりゃーっ!」
今度は反復横とびのように、ジグザグに飛びつつ向かってくる鈴々。
そのままこちらの目の前で体勢を低くして一瞬視界から消える。
「これでどうだー!」
そういった鈴々はこちらの右側後方に回り込んで回し蹴りを放ってきた。
だが。
「不意を打つのに声だしちゃダメだろ」
俺はそういってバックスウェーのように身体を反らして、右腕を振る。
本来はここでフリッカーのようなパンチを相手に叩き込むのだが、相手は鈴々。
手加減した掌底を、鈴々のお尻に放った。
「(パァーン!)いったーっ!」
お尻を打たれた鈴々が声を上げる。
「お兄ちゃん、エッチなのだー!」
「お仕置きだ。単純すぎるぞ。もっと頭を使わなきゃ」
「にゃにおー! まだまだー!」
そういってまた鈴々が飛び込んでくる。
そうこうして半刻(一時間)ほどして――
「にゃああ……まいったのだぁぁぁぁ……」
「はい、お疲れさん」
ぐたっと倒れる鈴々と、胸の前で拳を合わせて礼をする俺がいた。
「お兄ちゃん、強すぎなのだ……」
「違う、違う。俺が強いんじゃないよ。鈴々が素直すぎるの」
「にゃ? どういうこと?」
鈴々が顔だけ起こして俺を見ている。
やれやれ……ちょっと説明するか。
俺はその場にドカッと腰を下ろした。
「いいかい、鈴々。こと腕力や瞬発力だけなら君は俺なんかとは比べ物にならないものをもってる。でも、今の鈴々じゃ俺には勝てない。何故だかわかるかい?」
「わかんないのだ。力や早さが上なら、鈴々が負ける訳ないのだ」
「戦いはね、力や早さだけじゃない。技術があることが重要なんだ」
「技術……?」
「そう。例えば鈴々は相手が上から剣を振りかぶってきたらどうする?」
「避けるのだ」
「そうだね。でもそれをわざと武器で受けて跳ね返したら?」
「相手は剣を振り上げたままで止まるのだ」
「そうだね。そこに隙ができる。でも横に薙いできたら、受け止めれば逆にこっちの動きが止まって隙ができる。横薙ぎじゃ、跳ね返しても隙は少ない。どうする?」
「そのときは避けて、剣が通り過ぎた後に攻撃
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