拠点フェイズ 1
劉備・関羽・張飛
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だ」
そういって、刺さった蛇矛を抜こうとする。
だが、だいぶ深く刺さったのだろう。
なかなか抜けないようだ。
「ふんぬぬぬぬ……だあ。動かないのだ。お兄ちゃん、手伝って」
「鈴々の力で抜けないんじゃ、俺じゃ無理だって」
「そんなことないのだ。あの力ならきっと抜けるのだ」
「ああ、AMスーツか。あれは今、部屋に置いてきちまったしなぁ」
先程まで政務をしていたのである。
今、俺が着ているのはこの世界の一般服だ。
「まあ、俺だけじゃ無理でも二人なら抜けるだろ。鈴々、一緒に抜くぞ」
「わかったのだ、せーのー!」
二人で力を入れると、ギシギシと音を立て、ようやく柱から蛇矛が抜けた。
「やっと抜けたのだ……ありがと、お兄ちゃん」
「いえいえ、どういたしまして……鈴々はずっと鍛錬していたのか?」
「うん。今日は愛紗が調練の当番なのだ。鈴々は自分の鍛錬をして、強くなっていたのだ」
「そっか。さすが鈴々。日々努力を惜しまないね」
「にゃはは〜。照れるのだ……あ、そうだ! お兄ちゃんも鈴々と一緒に鍛錬するのだ!」
鈴々は名案が浮かんだ、と言いたげにこちらを見てくる。
「鍛錬か……そういや最近、まともに身体動かしてなかったな。ちょっとやっておくか」
「わーい、やったのだー!」
鈴々が両手を挙げて喜ぶ。
俺はその喜びようにちょっと苦笑しつつ、中庭へと出た。
「んじゃ、ちょっと組み手でもしようか。お互い武器はなし。徒手空拳で一本勝負。まいったで負け。それでいい?」
「わかったのだ。鈴々は素手でも強いのだ!」
「はは、俺だってAMスーツがないからといって簡単にはやられるつもりはないよ。じゃあ、いくぞ!」
「応っ、なのだ!」
俺が構えると、鈴々は真正面から飛び掛ってきた。
「ちぇあーっ!」
「ふっ」
鈴々の拳打がこちらの顔面を狙ってくる。
それに対し、半歩退いて身体をそらした俺は、カウンターの掌底を彼女の腹部めがけて放つ。
「にゃっ!」
カウンターを空中で身体をそらせて避けながら、その反動で蹴打を放ってくる鈴々。
その足を左腕でブロックしつつ、右手で足を持ち、そのまま空中に放り出した。
「にゃーーっ!?」
本当はそのまま追撃しようと思ったが、空中で体勢を立て直した鈴々を見て諦める。
鈴々は、地面に降りると同時にこちらに向かって再度飛び込んでくる。
「また正面か!」
「今度は違うのだ!」
そういいつつ、足元に低く飛び込んだ鈴々は前転し、その反動で倒立した両足で蹴り上げてくる。
俺はその両足をしゃがむことで避けつつ、伸びきった鈴々の両腕を足払いの要領で払う。
「にゃっ!」
「隙だらけだぞ、鈴々
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