拠点フェイズ 1
劉備・関羽・張飛
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回りまでしてくれるなら十分お役人様でさあ。まあ、お役人様っぽくは見えませんがね」
「あはは。あ、そうだ。もし困っていることがあれば言ってくださいね。白蓮ちゃん……公孫賛様にも皆さんの言葉を伝えるように言われているんです」
「おお……」
あれ? 店の中にいるお客さんたちから感嘆の声が上がった。
「公孫賛さまの真名を……」
「しかも俺たちの言葉を伝えるって?」
「役人なんて賄賂しかとらねぇと思っていたが……」
お客さんたちがひそひそと話し合っている。
「お役人様。失礼ですが、お名前は……」
「あ、すいません。私、劉備玄徳っていいます。けどほんとに私、お役人じゃありませんから『様』なんてつけなくていいですよ」
「劉備様……いえ、劉備様と呼ばせていただきます。ここの領主様の真名を預かり、我々の声を領主様に届けていただける方を呼び捨てなんかできますかい」
店主のおじさんが腕を胸に組み、頭を下げる。
「わわわ、そんな、頭を上げてください。偉いのは白蓮ちゃんであって、私じゃないんですから」
「なんと謙虚な……」
「ああ、こんなお役人様がいるなんて……」
「だから、私は役人じゃないんですってばー!」
思わず声を上げる私。
私は無位無官なんだから、ほんとに違うのにー!
くいっ、と裾がつかまれる。
あれ? さっきの女の子?
「りゅーびさま、えらいの?」
「ううん、私はえらくなんかないよ? でも、困ったことがあったら、なんでもいってね? 力になるから」
「うん、りゅーびさま!」
女の子はそういって店の外に駆けていく。と――
「みんなー! りゅーびさまがあそんでくれるってー!」
「うえぇぇぇぇっ!?」
私が驚愕していると、女の子を待っていた子供達が大量に店の中に入ってくる。
「あそぼー!」
「お姉ちゃん、あそぼー!」
「ばっか、りゅーびさまっていわなきゃだめだろ」
「そっかー、りゅーびさまー、あそんでー!」
「あああああああああ!?」
私が子供囲まれ、引っ張られ、もみくちゃにされる。
「わ、わ、わかっ、わかったから、ちょっとまってぇぇぇぇっ!」
「わっはっはっはっは! なんて人のいいお役人様だ!」
「ああ、劉備様! 今度ウチの店に来てくれよ! 歓迎するぜ!」
「うちの仕事場にもきてくれよ、きっとみんな喜ぶぜ!」
「なにいってんだ、おまえの所じゃ男臭すぎて劉備様が妊娠しちまうよ!」
「ちがいねえ、はっはっはっは!」
ひーん! 誰も止めてくれないよぉ!
「と、とにかく、みんな、外にいこっ、ここじゃお店の人に迷惑だから……きゃっ! だれー、お尻触ったのーっ!」
「ぼくじゃないよ?」
「おいらでもないよ?」
「はーい、わ
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