拠点フェイズ 1
劉備・関羽・張飛
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ふ……うん。眠い」
「自業自得だろ」
「……ごめんなさい」
何度目かわかんない謝罪の言葉に、白蓮ちゃんはため息をこぼす。
「ともかく……仕事は溜め込まないようにな? さすがに三日前の仕事をできてないなんてことは、もう勘弁してくれ」
「はい、気をつけます……」
山ほどあった竹簡を、盾二さんと愛紗ちゃんに手伝ってもら……ほとんどやってもらった翌朝。
白蓮ちゃんにお詫びのため頭を下げています。
「そういえば盾二と愛紗は?」
「ご主人様は今日の分の政務に……愛紗ちゃんは今日、調練だって」
「……寝てないんだろ? 大丈夫なのか?」
「二人とも鍛え方が違う、って言ってた」
「さすがだなあ」
うん、ほんとに。
二人には頭が上がらないなぁ。
「まあ、報告はわかったよ。桃香、今日は休んでいいよ」
「ううん! 私だってまだ頑張れるよ! お仕事任せて、白蓮ちゃん!」
「そうはいってもな……とりあえず急ぎの仕事はないし」
白蓮ちゃんは頭を捻っている。
あ、それなら……
「じゃあ、街の見回りしてきてもいい? この街に着てからまだ見て回ってないんだ」
「ああ、それぐらいなら別にかまわないよ。むしろ助かる。城下の様子とかで気になることがあったら私に教えてくれ」
「うん! じゃあ、いってくるね!」
私は白蓮ちゃんにそういって、部屋を出た。
さあ、見回りガンバろー!
―― other side ――
「人助けで自分の仕事が、ね……桃香の悪い癖が出たか。これからは見回りの仕事だけしてもらって、政務は盾二に任せたほうがいいかなあ」
そう言った白蓮の呟きを聞いたものはいなかった。
―― 劉備 side ――
「改めてみると……平和でいい街だなぁ」
思わず呟いた私。
白蓮ちゃんの治世が良いためと思う。
他の街より、ずっと街の人の笑顔がある。
通りに面した屋台では、元気よく呼び込みの声がするし、談笑するおばさんたちにも笑顔がある。
なにより――
「わーい!」
「まってよー!」
「おいらがいっちばーん!」
子供たちが笑顔で走り回っている。
こんな風景は平和じゃなきゃなかなかない。
(そう……私はみんなが、大陸中がこんな笑顔で包まれるのが夢――)
その為に愛紗ちゃんも鈴々ちゃんも手を貸してくれる。盾二さんだって力を貸してくれるといった。
だから必ずみんなを笑顔にしてみせる。たとえ――それが私の偽善だとしても。
「きゃん!」
あれ?
目の前で追いかけっこしていた子の一人が、私の目の前で転んだ。
「あーあ……おまえトロいな
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