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ロミオとジュリエット
第三幕その一
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ます」
「そうだったのですか」
「暫しお待ち下さい」
 彼はここで鈴を鳴らした。すると礼拝堂に一人の若いシスターが入って来た。この教会に神父と共に務め、神のことを学んでいるシスターである。
「ジェルトルードさんをこちらに呼んで下さい。ジュリエット様も」
「ジュリエット様もですか」
 ちらりとロミオを見て問い返した。彼女もまたモンタギューとキャブレットのことは知っているのだ。
「そうです。そのうえでです」
「わかりました。では」
「お願いしますね」
 シスターは一礼した。そして静かに礼拝堂を後にしてキャブレット家に向かったのであった。
 暫くしてシスターが戻ってきた。その後ろにはジェルトルードがいた。そして彼女も。
「ジュリエット」
「ロミオ様」
 二人は再会を果たした。だがその顔は晴れたものではなかった。
「神父様、私達は」
「わかっています」
 神父は険しく、そこに悲しみを漂わせた顔で述べた。
「だからなのです」
「だからですか」
「そうです。今ここにいるのは私達だけです」
「はい」
 二人はその言葉に頷く。
「神の御前に。私は貴方達に立ち会いましょう」
「というと」
「まさか」
「そのまさかです」
 彼は言った。
「宜しいですか、運命の子供達よ」
 二人の顔を見て述べる。

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