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幕間2 狂える騎士と狂信者
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“何をそこまで憎む”

ダレダ

“私は誰でもない。ただのNPCだ”

ナンノヨウダ

“なに、少し君に興味があってね、君が何故そこまで全てを恨むのかを”

ヤツラハボクカラスベテヲウバッタ、ダカラニクイ

“すべてを奪われたか。だが、君は此処で何をしている?”

ナンダト

“彼らは君からすべてを奪ったのだろう、ならばそれを取り返そうとは思わないのか?”

……ヤツラハドコニイルカワカラナイ。ソレニミンナノイノチハトリカエセナイ

“違うな”

ナニ?

“君のそれは言い訳に過ぎない。君は彼らを恨んでいるがどうにかする術も知らないし、その力もない”



“君は彼らの位置を知る事が出来る術を以前は持っていたが、それを破棄した。即ち、自ら彼らとのつながりを断ったのだ”

ダマレ…

“それに命を取られたなら、仇を討とうと多少は思うものだ。だが君はそのために力を付けようともしない”

ダマレ…

“私には、まるで君が意味もなく命を投げ出そうとしか思えないのだがね”

ダマレ…

“君は負けて、すべてを無くした愚かな負け犬というわけだ”

ダマレェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!

“だが、私は君を助けよう”

ナンダト

“君はすべてが憎い、殺したいほど憎い、だが力がない。さて、どうする?答えは簡単だ。
願えばいい。
力が欲しいと。
すべてをなぎ払う力、圧倒的な力、奪いつくす力が欲しいと“

……ナゼソンナコトヲイウ

「君の事が心配だからさ」

ッ!…ドコカラデテキタ

「私はこれでも神父だ。人の願いには答えねばならん。さあ願いたまえ!力を欲すると」

……ボクハ……

「……さぁ」

……ボクハ、チカラガ――――ホシイ

「…」

ホシイ、ホシイ、スベテヲ、スベテヲコワシツクス、アットウテキナチカラガ、ボクハホシイ!!!

「その願い、聞き届けた。さあ見たまえ君が望んだ力だ」

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……コレガ

「……er……ar……er……」

コレガ…ボクノチカラ

「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!」

------------------

彼はその日、力を手に入れた。

狂えるほど憎み、殺したいほど妬んだ結果、
彼は憎悪の海に沈んだ黒き騎士を手に入れ歓喜し、
神父は嬉しそうに口元を歪ませた。

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