第五章
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その溝と土塁を見て伯爵は言った。
「これはいいね」
「宜しいですか、これで」
「さっきも言ったけれど攻められないことが大事だからね」
それでいいと言うのだった。
「だからいいんだよ」
「喜んで頂いて何よりです」
「この土塁の上に兵達を置いて」
伯爵は戦術についても述べていく。
「そして守ろう」
「そうですね。それでは」
男爵も伯爵に応える、そしてだった。
実際にその土塁の上に弓兵を置き異民族を迎え撃つ、迎撃は成功し異民族達は溝も土塁も越えられず退却した。
伯爵はそれを見てこう男爵と魔術師に言った。
「これでいいね」
「はい、そうですね」
「溝と土塁は役に立ちましたね」
「境は全てこうしていこう」
溝と土塁を築くというのだ。
そして魔術師に貌を向けてこう告げた。
「では博士、暫くお願いします」
「畏まりました。それでは」
こうして魔術師の協力も得て境は全て溝と土塁で固めた。そうして異民族への確かな備えとしたのである。
異民族への備えはかなり出来た、だが。
今度は森、領土の森にだった。
「盗賊に」
「それにオークも出ました」
「やれやれだね」
男爵の話を聞いて難しい顔で言う。
「異民族の次はそれだね」
「それでどうされますか」
「どうするかと言われてもね」
伯爵は応えて言った。
「征伐するしかないよ」
「では軍を送りますか」
「いや、異民族との戦いで予想以上に予算がかかったから」
伯爵は男爵に難しい顔で述べる。
「だからね」
「軍は動かせないですか」
「ここは冒険者を募集しようか」
伯爵は腕を組んでこの解決案を出した。
「盗賊とオークを倒した冒険者に報酬を支払うということでね」
「それで対処されますか」
「その方がお金もかからないからね」
だからだというのだ。
「これでどうかな」
「はい、それでいいと思います」
男爵も伯爵の考えに同意して頷く。
「私としましても」
「そうだね。これだといいね」
「軍を動かすとやはり出費がかなりのものになります」
武具も兵糧も用意しないといけない、そして馬も動かし馬の餌のことも考えば軍を動かすのは大変な出費なのだ。
だからこう男爵も言うのだった。
「ですから異民族との戦いの後ですから」
「今軍は動かせない」
「残念ですが」
「しかし盗賊もオークも何とかしないといけない」
このことは絶対のことだった。彼等を放置していてはやはり領民が迷惑をする、オークに至っては自分達の国を築くことすらある。
それは避けなくてはならない、それでだったのだ。
「だからね」
「それではですね」
「うん、冒険者達を募ろう」
彼等に盗賊、オークを倒してもらうことにした。実際にすぐに冒険者達を募集
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