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SAO<風を操る剣士>
第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第六章 《圏内事件》
第41話 マイホーム2
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だな。俺もシリカと一緒に現実《リアル》で歩き回ったりしたいな。……だからさ、シリカ」
「シュウさん?」
「……そのためには、早くゲームをクリアしなきゃだよな?」
「……そう、ですけど……?」
 シリカは俺が何を言おうとしているのか分からないのか、首を(かし)げる。
「なら、さ……流石(さすが)に今更フロアボス攻略には無理だけど、迷宮攻略は参加しないか? それなら人に会わなければ良いだけだし、会ったとしても本気を見せなければ良い」
「え……でもそれは、他のプレイヤーとレベルの差がつくから()めよう……って前にシュウさんが言ったじゃないですか。だからフィールドボスを倒した後は、迷宮に行かないで遊んだり、別の場所でモンスターを倒してたんじゃないですよ。それなのにどうして……」
「早くこのSAOをクリアするためだよ。今、シリカと話して覚悟がついた」
 今までは差が開きまくったら、フィールボスの事がバレてシリカが危険な目に合うんじゃないかと思っていたから迷宮に行かなかったけど……今更ながら自分が物凄いバカだったって思い知らされる。
 覚悟を決めてから気づいたが……《ビーター》と《フィールドボス事件》の事で俺は多分ほとんどのプレイヤーに恨まれている。
 けどシリカは恨まれてないから……なんて考えていたけど、さっき俺が言ったようにバレなきゃいいのだ。
 すでに同じ《ビーター》のキリトよりレベルが上になってるんだから、他の一般プレイヤーにとっては今でも俺は十分恨まれる対象で、それが少し差が開いた所でそんなに変わるもんじゃない。 
 だったらもっと差を開いて、前のキリトのようにいくらプレイヤーに襲われても死なないようにした方がずっと安全だ。
 その方が早く攻略が進むとは言い切れないけど(他のプレイヤーがレベルを上げにくくなるからな)、それでもここで何もしないよりは、早くクリア出来ると信じたい。

 なので――
「どうする? 正直、迷宮攻略に行ったからってクリアが早く出来る保証もないし、バレたらシリカも危険な目に合うかもしれない――だから、シリカがこの事については決めてくれ」
 と、シリカにどうするか真剣に聞く。
「シュウさん、そんなの答えは決まってますよ。――行くに決まってるじゃないですか!」
「…………や、ヤケに速い決断だな」
 俺としてはもう少し考えてほしかったんだが……こんなに真剣に考えてた俺がバカみたいじゃないか。……バカなんだけどさ。
「やっぱりあたしも何もしないより、その方が早くクリアできると思いますから」
「そうか……なら、次の層のフィールドボスを倒したら、そのまま迷宮に向かおうか」
「はい!」
 こうして俺たちは久しぶりに迷宮攻略に行くことを決めた。

 そうして話し合いが終わり、夜寝るときに――


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