第七章
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二人に影に激突した、最悪の出来事だった。
だが陽子はそれを見て悠衣子に言った。
「交通事故に遭うけれど」
「私達今あれよね」
「これが、なのね」
「横切ってるところだから」
「補導を横切ってる時ね」
「しかもね」
「駆けてたわね」
悠衣子もそれは見ていた、それで陽子に答えた。
「それってつまりは」
「青信号から赤信号に変わるところだったのよ」
陽子はそう推理した。
「危ない状況よね」
「それでそこに居眠りか酔っ払い運転が来たのね」
そして撥ねられる、それが未来だというのだ。
「つまりこの場合は」
「歩道の信号が青から赤になる場合でも」
「焦らない」
そうすればいいというのだ。
「それでいいのよ」
「そういうことね、それじゃあ」
「ええ、歩道には気をつけましょう」
「焦らないことね」
二人で確かな顔で頷く、そうしてだった。
二人は登下校の道でも遊ぶ時でも歩道を渡る時青から赤になる時は絶対に待った、例え急いでいてもだ。
そうしていて数日してからだった、ある日二人が街に遊びに出てこれまで通り赤信号になろうとしていても渡らないでいると。
目の前を物凄い速さ、しかもふらふらと揺れて運転しているトラックが通り過ぎた。そのトラックは。
信号の先の十字路で派手に横転した、それこそおもちゃの様に何度も転がりそのうえで止まった。物凄い光景だった。
幸いトラックが横転しただけで話が済んだ、それを見てだった。
悠衣子はほっとした顔になって陽子に言った。
「助かったね」
「そうね」
陽子も安堵している顔で悠衣子に答える。
陽子はそのうえで悠衣子に対して言った。
「やっぱりあの土手はね」
「影で、なのね」
「未来を見せてくれるのよ」
こう話すのだった。
「私達の未来をね」
「そしてその未来はなのね」
「変えられるのよ」
今の様にだというのだ。
「避けてね」
「そうなのね」
「そう、未来は決まっていなくて」
「変えられるものなのね」
「用心すればね」
それでだというのだ。
「そうなるのよ」
「ううん、だから私達は助かったのね」
「そう、あの変質者の時みたいに」
「あの土手は不吉な場所じゃなかったのね」
「それどころかね」
むしろだと、陽子は確かな顔で言い切った。
「未来を見せてくれて対策を考えさせてくれる」
「いい道なのね」
「髪の毛だってそうじゃない、悠衣子ちゃんね」
「そうね。これは悪いことじゃないけれど」
今も伸ばしている、それで結構な長さになっている。
「それでもよね」
「気をつけることは気をつけないと」
「死んでたわよね、私達」
悠衣子は二人が出るところだったその前を見ながら言う。
「若しも前に出てたら」
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