第二章
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「サウナに屋外風呂にジェットに電気風呂に水風呂にってね」
「充実してるわね」
「だから一回入ると病みつきになるから」
「陽子ちゃんも入ってるの?」
「いつもね。ただお家のお仕事だから」
入る条件がある、それはというと。
「お金は払わなくてもいいけれど」
「ああ、お風呂掃除とかは」
「お仕事はしないといけないから」
「それがっていうのね」
「しないといけないの。まあとにかく」
「うん、二人でね」
楽しく入ろうと話した、この日はこれで終わった。
しかし暫く悠衣子は気分を変えて髪の毛を伸ばした、それはまさに影がそうなった通りだった。
陽子は高校のクラス、二人は一緒のクラスでありそこで悠衣子の席に来て彼女の伸びた髪の毛を見ながら言うのだった。
「あのね」
「どうしたの?」
「悠衣子ちゃんこの前土手の道で影がどうとかって言ってたじゃない」
「髪の毛のことよね」
「伸びてたって言ってたけれど」
「そういえば」
言われてはっとした悠衣子だった。
「そう言ってたわ」
「今実際に髪の毛伸びてるわよね」
「そうよね」
「これってどういうこと?」
陽子は怪訝な顔で悠衣子に言った。
「何で影が?」
「どういうことかしら。けれどね」
「悠衣子ちゃんの髪の毛は伸びたし」
「そうよね」
「ホラー?けれど」
陽子は現実、彼女が知っているそれから必死に言った。
「そんなこと有り得ないから」
「そうよね、実際にはね」
「どういうこと?これって」
「私の見間違い?」
悠衣子は現実に戻って言った。
「そうかしら」
「そうじゃないの?まあこのことはね」
「ええ、絶対にね」
二人共彼女達の現実から話した。
「有り得ないから」
「そうよね」
二人で必死に影のことは嘘、有り得ないことだと話をつけた。それでこの時は終わった、だがそれでもだった。
今度は陽子だった、この日も二人で土手の道を歩いていると。
影が違っていた。左手を首から吊るしていたのだ。
陽子は自分のその影を振り返って眉を顰めさせた。
「何これ」
「どうしたの?」
「いや、影がね」
眉を顰めさせたまま悠衣子に話す。
「違うのよ」
「今度は陽子が?」
「ええ、左手がね」
今もだった、その影は違っていたのだ。
「首から吊るしてるのよ」
「怪我した時みたいに?」
「その感じ、何かしらこれって」
「私が見たところ」
悠衣子は陽子のその影を見る、シルエットもその動きも完全に陽子のものだ。
何もかもが同じだ、彼女が見てもだ。
しかし陽子自身はこう言うのだった。
「違うのよ、それがね」
「私の髪の毛と同じで」
「そう、同じ」
まさにそのままだというのだ。
「これって何?」
「私の髪の毛は伸
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