第二章
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「カレッジに通わせてやるからな」
「だからそこまで働くっていうの?」
「そうだよ。御前は何の心配もいらないからな」
「お兄ちゃんはそれでいいかも知れないけれど」
リリィは心配している顔での言葉だった。
「私はそうじゃないから。本当にそんなのだと倒れるから」
「言ってるだろ、御前の心配することじゃないってな」
「あのね、そう言うならね」
「何だってんだよ」
「私にも考えがあるから」
「考え?」
「そうよ、あるから」
真剣な顔で兄に対して告げる。
「わかったわね」
「何をするっていうんだよ」
「すぐにわかるわ。けれどね」
真剣な顔はそのままだった、そのうえでの言葉だ。
「お兄ちゃんを過労で倒れさせはしないから」
「俺は疲れ知らずだからいいんだよ」
「疲れてるじゃない、実際に」
口ではこう言っても顔は嘘を吐かない、ビリーの顔は目の下にクマがあり顔色は白く憔悴しきったものだ、そして目も光が弱い。
その顔でこう言ったのである。
「御前は黙って勉強してればいいんだよ」
「勉強もするわ」
「勉強も?」
「そう、お兄ちゃんが頑張ってるのに私も頑張らないでどうするのよ」
それはだった。
「だから勉強も頑張るから」
「だから勉強もって何なんだよ」
「そのうちわかるわ。それじゃあね」
「一体何なんだよ」
ビリーはリリィの言っている意味がわからなかった、しかしだった。
彼は一週間後の日の朝その言葉の意味がわかった、朝働いている中華街の店に行くと。
そこにエプロンを着たリリィがいた、そして明るい顔でこう兄に言ってきたのだ。
「おはよう、お兄ちゃん」
「おい、御前何でここにいるんだよ」
「アルバイトよ」
それでいるとにこりと笑って言う。
「それで朝一で来たのよ」
「そんな話聞いてねえぞ」
ビリーは眉を怒らせてリリィに返した。
「何時の間に雇ってもらったんだよ」
「お兄ちゃんに言ってすぐによ」
もうそれからすぐにだったというのだ。
「ここに来てそれでお願いしたの」
「俺に内緒でか」
「そう、内緒でね」
まさにそうしてだったというのだ。
「雇ってもらったのよ」
「ああ、ビリーさんいいかな」
店の親父、中華街だから当然中国系の恰幅のいい親父が明るい顔で彼に言ってきた。
「妹さん来たからあんた今日で終わりだよ」
「おっさん、労働基準法って知ってるか?」
「アメリカにそんなものあるのかい?」
「一応あるだろ」
ビリーはこう言って親父に抗議した。
「大体何時の間にこんなことになってんだよ」
「だから言ってるじゃない」
またリリィが言ってくる。
「朝は私が働くことになったのよ」
「で、俺はリストラかよ」
「これから朝はゆっくりと休んでね」
「
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