第三章
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「それは買っておこうね」
「わかりました、そういうことですね」
「うん、それじゃあね」
「首輪は僕が買ってきますので」
こうして猫には首輪もされることになりました。首輪をされた猫はそれからも毎日家に来る様になりました、そしてです。
毎日プラットホームのところに寝たり事務室の中で遊んだり。駅員さん達を和ませだしました。
その中でふと若い駅員さんが言いました。
「電車に撥ねられないようにしないとな」
「そのことですね」
「ああ、それでだけれどな」
若い駅員さんは新人さんにあるものを出してきました、それはといいますと。
ペットボトルです、それを一杯抱えて言うのでした。
「これプラットホームの白線側に置こうな」
「それをですか」
「ああ、猫が電車のところに出ない様に」
「それいいですね。けれど」
「お客さんだよな」
「邪魔になりませんか?」
新人さんはこのことが気になって若い駅員さんに尋ねました。
「確かにうちの駅お客さん少ないですけれど」
「そもそも電車も少ないけれどな」
「確かに猫にとっては安全ですけれど」
それでもだというのです。
「お客さんにとっては」
「ああ、事前に放送で言うしね」
そのことはだとです、若い駅員さんは笑って新人さんに答えます。
「それに出入り口の前には置かないから」
「大丈夫ですか」
「要は猫が線路に入らないといいんだよ」
そういうことだというのです。
「それに嵐が来ても吹き飛ばない様に底は接着するしさ」
「それも大丈夫ですか」
「うん、そうだよ」
そうしたところもだというのです。
「安心していいからさ」
「粘着テープかそういうので、ですね」
「ああ、それで無理だったら嵐の間はペットボトルはしまえばいいし」
「そんな時は猫も外に出ませんしね」
「そうすればいいだろ」
「ですね。それじゃあ」
こうして駅にはペットボトルも置かれました。猫の安全のことまでとても細かく考えられていました。三人は猫達と楽しく安全に暮らしていました。
やがてお客さん達もその猫を見る様になりました。
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