第四章
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
「あのさ」
佳奈が男の子の手を引いている龍輝に気付いたのと龍輝が声をあげたのは同時だった。二人はここで顔を見合わせた。
「この子岩瀬の弟さんだったんだ」
「大塚じゃない。福を見つけてくれたの」
「見つけたっていうか一人泣いてるのを見つけてさ」
それでだと、龍輝は正直に話した。
「それでなんだけれど」
「福保護してくれたの」
「そうさ」
「有り難う。お陰で助かったわ」
「お兄ちゃん僕をおもちゃ屋さんまで連れて行ってくれたんだ」
男の子が笑顔で佳奈に話す。
「それでお姉ちゃんに会えたんだよ」
「そうなのね」
「うん、お兄ちゃんのお陰だよ」
「有り難う。じゃあお礼しないとね」
佳奈は優しい、学園内ではあまり誰にも見せない笑顔を龍輝に見せて言った。
「ここの商店街の甘味処だけれど」
「ああ、あそこの白玉あんみつ美味いよな」
「それでいい?」
それをお礼にしたいというのだ。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ