第三章
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「何があっても岩瀬を俺の彼女にするからな」
「本当に頑張れよ、ただ強引にはいくなよ」
「さもないと冗談抜きで一生後悔することになるからな」
上でも下でもだ。どちらにしても一生ものだ。
「岩瀬、恐ろしい奴だな」
「奇麗な顔して何処まで怖いんだよ」
「後は兄弟がいることもわかったんだよな」
龍輝は一見すると何でもない情報も手に入れていた。
「お兄さんと弟さんが一人ずついるな」
「へえ、岩瀬って真ん中だったんだな」
「兄弟いたんだな」
「お兄さんは大学生、八条大学の二回生でな」
まずは兄から話される。
「弟さんは幼稚園児らしいな」
「何か結構離れてる兄弟だな」
「特に弟さんは」
「まあこれはどうでもいいな」
龍輝はこのことについては自分でもこう言った。
「正直なところな」
「だよな、弟さんがいるとかな」
「どうでもいいよな」
周りもこう言う。誰も気付いていない。
「とにかく。正面からじゃ難しいな」
「何か攻めるところないのかね」
「趣味はその剣道、俺剣道しないからな」
「生粋の野球小僧だからな、御前」
野球部の内野の控えだ。一年だからまだレギュラーではないが有望株として先輩達からも目をかけられている。
「剣道じゃないからな」
「趣味からは絡められないな」
「好きなチームはソフトバンクか、俺日本ハムだよ」
「それは巨人じゃないといいだろ」
「まあな」
このことはこれで終わった。
「ソフトバンクならな」
「だよな、それはな」
「特にいいな」
「趣味からいくか?剣道以外の趣味もあるだろうしな」
「だよな。これは絡め手からいくべきだな」
「正攻法じゃ駄目な相手みたいだね」
友人達もこう言う。とにかく今は佳奈をどうして攻めて陥落させるか答えが出せなかった。だが龍輝は佳奈に気付かれない様にして調べ続けた。
そんな日々の中彼は学園生活も順調に続けていた。この日彼は日曜だったが部活の練習に出てその帰りに商店街を歩いていた。
そこで買いたい漫画やCDを見つけて買って帰ろうとしたらその前にだった。
泣いている小さな男の子がいた。その子が気になってすぐに声をかけた。
「どうしたの?」
「お姉ちゃんと一緒だったのに」
その子はべそをかきながら龍輝の顔を見上げて言ってきた。
「はぐれたの」
「へえ、お姉さんと一緒だったんだ」
「うん、高校生のね」
男の子は龍輝にこのことも話してきた。
「一緒だったけれど」
「はぐれたんだね」
「そうなの。おもちゃ屋さんまでは一緒だったけれど僕が女の子が持っていた赤い風船を追っかけたらそれで」
「はぐれたんだね」
「そうなの」
男の子は身体を屈めて目線を合わせた龍輝に答えた。
「それでなの」
「わかったよ。おもちゃ屋
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