第二章
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「安心していいでしょ。微笑ましいわよ」
「そういうものね」
「そう、安心していいわよ」
「まあね。うちもお祖父ちゃん若いキャバレーのホステスさんと一緒にお家まで帰ってね」
「ご近所に見付かったのね」
「夜だったけれどね。それで浮気がばれて」
それでだというのだ。
「お祖母ちゃん怒り狂ってね」
「離婚?」
「お祖父ちゃんギャラクティカファントムとスペシャルローリングサンダー喰らったのよ」
両方共左だ、香織の祖母は左利きらしい。
「もう見事にね」
「ううん、凄いわね」
「それで終わったけれど」
叩きのめされてだというのだ。
「それでもそこから浮気はしなくなったから」
「お祖父さんも懲りたのね」
「そう、浮気はしないに限るわ」
間違っても相手と自宅まで行ってはいけない、呼んでもならない。
「彼氏ならね」
「ええ、家にいるのはペットのオウムのね」
真耶子は香織に笑顔で話す。
「フランコしかいないから」
「フランコ?」
「母方のお祖母ちゃんがオペラファンでイタリアオペラ好きなのよ」
名前の由来はそこからだった。
「それで昔フランコ=コレッリっていう凄いイケメンのテノールがいたらしくて」
「その人の名前になったのね」
「そうなの、賢い鳥よ」
「鳥なら大丈夫よね」
「ええ、誰にもばれないわ」
真耶子は笑顔で言い切った、そうしてだった。
真耶子はその日家中を丹念に掃除しお洒落をして念入りにメイクもした、勿論オウムの籠もちゃんと掃除をそいた。
そして水色と黄色の派手な色のオウムに笑顔で言った。
「今日はいい日だからね」
「イイヒ、イイヒ」
「うふふ、そうよ」
笑顔でオウムにも言う。そうしてだった。
相手が来るのを笑顔で待った、やがてチャイムが鳴り。
真耶子は扉にいそいそと向かった、そしてその日は二人で最高の時を過ごした。
オウムは家のリビングにいたが真耶子はそこでも二人で楽しんだ。そして彼氏が帰ると服もメイクも普段に戻した。
そのうえで帰って来た家族と一緒に晩御飯を食べた、一家団欒の時になった。
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