第71話 =実現する希望=
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でも繋がっている。黄色い炎の光や青い魔法の光、桃色の鉱石がその光を反射して光って瞬いている様子はまるでもう1つの宇宙そのものだ。そしてそこを歩くプレイヤーにはスイルベーンのように1種族だけではなく10種類の妖精がいて統一感がまったく無い。
だがそれすらも圧倒し存在感を放つものがそこにはあった。
「……あれって…」
「………世界樹…そうだよ、間違いない。ここが《アルン》だよ!アルヴヘイムの、世界の中心で最大の都市」
「やっぱり…。ようやくついたな…」
リーファの声に頷くとひょこっとユイがキリトのポケットから飛び出し輝くような笑みを浮かべて飛びまわる。
「私、こんなたくさんの人がいる場所初めてです!!」
「俺もだ……」
あの世界にも1万人というたくさんの人がいたがここにいるプレイヤーはそれを優に越すだろう。ここも茅場の作り出したかったもう1つの現実の姿かもしれない…別にデスゲームにしなくても出来たじゃないか…などと思ってしまった。
『本日1月22日、午前4時から午後3時まで定期メンテナンスを行うため、サーバーがクローズされます。プレイヤーの皆様は10分前までにログアウトをお願いします』
「……もう4時近いのか…そりゃ眠いわけだよ…」
「わたしもここまで起きてるのは久しぶりだよ…うーんッ!!」
時計を見ると3時半すらも普通に超えていて思わず伸びとあくびが無意識に出てしまう。
「今日はここまで、だね。一応宿屋でログアウトしよ」
「メンテってのは何時まで?」
「今日の午後三時まで…ってさっきアナウンスあったよ?」
「そっか…」
今から約半日はどうあがいてもユカの元へ、キリトはアスナの元へたどり着けない。本当なら寝る間も惜しんで今すぐ向かいたいところなのだが…。
「……そんな気を張り詰めてちゃ会う前にダウンしちゃうよ」
「…あ、悪い……そんなにあれだった?」
「うん。……さ、宿屋探しましょ」
「そうだな。…俺。素寒貧だからあんま豪華じゃないほうがいいな〜なんて」
「……いいカッコしてサクヤたちに全財産渡したりするからよ。宿代くらい取っときなさいよね。…パパはああ言ってるけど近くに安い宿屋ってある?」
ユイも同じく世界樹へと視線を持っていったがリーファの声には笑顔で答えた。
「ええ、あっちに降りたところに激安のがあるみたいです!」
「げ、激安……」
「ま、それでいっか。行こうよ、リーファ」
そうリーファを呼びかけ俺たちは宿屋へ向かった。その寸前、キリトとリーファは枝の方に視線が向いていたが俺の視線はそこではなく幹の中に向いていた。絶対というくらいの証拠はない、でも…きっとあの中にユカがいる。もう少しだ。もう少しでアイ
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