第71話 =実現する希望=
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らその姿が見えていると思うが追うことはせず、勝利の声を響かせてこちらへ向かってきた。そのままわっさわっさと飛んでくると、ほとんど変わらない象の顔にある6つの目でぎょろりとこちらを見下ろしてくる。どうやらリーファとキリトも無事らしくポーションを飲みながらこちらへと近づいてきた。
「リーファとキリトも無事だったか」
「まーね。一時はどうなるかと思ったけど………」
「…で、これからどうすんの?」
突然キリトはどこかで聞いたことのある台詞を呟く。それに返答したのは俺でもリーファでもサウスでもなく進化したトンキーだった。トンキーはそのまま長い鼻と肢を器用に使い俺たちを問答無用で地面から引っこ抜くとまた柔らかい背中へとダイブさせられ、フワンとバウンドする。
「……何はともあれ、生きててよかったね、トンキー」
「ほんとによかったです!生きてればいいことあります!!」
キリトの胸ポケットからヒョイと顔と手を出し嬉しそうに両手を叩きながらユイが言った。
「ほんと、このままここで死んじゃうかと思ったよー……目的忘れすぎ!」
「とか言って、サウスさんだって戦ってくれたじゃない」
「それはそうだけど……いきなり「リクヤ君が!」…って言ってリーファちゃんも飛び込んだよね〜」
サウスはその時の状況をリーファの物まねをしながら再現していてリーファはあたふたと慌てていた。
「だ、だって、トンキーが危なかったし…あそこで見てるくらいならVRMMOしてる意味なんて」
「ほーぅ、それ…だけなの?」
「……ぅぅ…」
「ま、おねーさんはもう聞かないけど、女の子は自分に嘘ついちゃいけないよってだけは言っておくね」
などと何かしら女子は女子の方で盛り上がっていた。
「…何の話してるんだ?」
「……知らないよ、俺に聞くなよ」
と、雑談していた間にもトンキーは空高く、世界樹の根へと向かって飛んでいる。あのヨツンヘイムの大穴に入ったらどうしようかと懸念していたがなんとか俺たちの行きたいところを判ってくれているらしくぐんぐんと昇っていく。
「……すごいな…」
「わぁ……」
思わず俺とリーファが残酷な氷雪世界を見渡して声を出した。飛ぶことが出来ないここで上空からヨツンヘイムを見下ろしたのはこのオンラインゲームでもたった4人、しかも俺を除くそのうちの2人とはリアルでの知り合い、なんかそれがものすごくすごいことに思えた。
「……何あれ?」
リーファはそう呟くと何かの呪文の詠唱を行い、手のひらに氷の塊が出来てそれを覗き込んでいる。キリトもそれに気がついたのかイソイソとリーファに近づいて覗き込んでいた。
「何それ?」
「遠見氷晶の魔法よ。ほら、でっかい氷柱の先っぽに何
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