第三幕その六
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ってでも争いを終わらせるつもりであったのだ。今それをはっきりと言ってきた。
「わかったな」
「はい・・・・・・」
枢機卿を出されてはキャブレット卿も従うしかなかった。彼は教皇派であるからだ。それでどうして教会に従わずにいられようか。無理であった。
「以上だ。では」
「だが忘れはせぬぞ」
それでもキャブレット卿は怒りと悲しみを隠してはいなかった。
「このことは何時までも覚えておく」
「こちらもだ」
モンタギュー家の者達もまた同じだ。沈み込むロミオは別として両家葉またいがみ合いはじめた。
「これをどうにかせねば」
公爵はそんな彼等を見て憂慮を禁じ得なかった。
「ヴェローナは。収まらぬ」
彼は今両家の対立により乱れるヴェローナを憂いていた。だがその憂いは今のところ尽きる気配がなかった。憎しみはいつまでも続く。残酷な運命であった。
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