第一話 箱庭召喚!
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する黒ウサギだが、すぐに正気に戻りウサ耳を逆立てて三人に問いただす。
「な、なんで止めてくれなかったんですか!」
「止めてくれるなよ≠ニ言われたもの」
「ならどうして黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」
「黒ウサギには言うなよ≠ニ言われたから」
「嘘です! 絶対嘘です! 実は面倒くさかっただけでしょう御二人さん!」
「「うん」」
飛鳥と耀の息の合った答えに、黒ウサギは項垂れてしまう。そして最後の砦と思い、もう一人の勝に目を向けてみるが――
「――? 考え事をしていて、今まで何も気付いていませんでした。申し訳ありません」
一瞬で陥落してしまった。黒ウサギはショックでガクリと前のめりに倒れる。
「一応お気持ちはお察ししますが、あの程度の猛獣ならさほど害はないでしょう。少なくとも、命の危険なんてありませんよ」
全然お察しなど出来ていないのだが、今は「あの程度」という言葉が気になって思わず黒ウサギは顔を上げて勝の方を見てしまう。
「あの程度の猛獣っていうのは気になりますが、世界の果て≠ノはギフトゲームの為に野放しにされた幻獣が」
「幻獣?」
「は、はい。ギフトを持った獣を指す言葉で、特に世界の果て&t近には強力なギフトを持ったものがいます。出くわせば最後、とても人間では太刀打ちできません!」
「あら、それは残念。もう彼はゲームオーバー?」
「ゲーム参加前にゲームオーバー? ・・・・・・・・・・・・斬新?」
「冗談を言っている場合では――」
「一つお訊きしたいのですが」
「あ、はい。どうぞ」
勝に質問をされたのに驚いて冷静になったのか、ジンからは先ほどの動揺が嘘みたいに消し飛んでいた。
「もしかして、ここで狩猟したら不味かったのでしょうか?」
「「え、狩猟?」」
ジンと黒ウサギの声が重なる。それと同時に、先ほどまで持ってなかったように思える自身の体よりも大きな包みを何処からともなく取出し、そしてその包みを外して中身を見せた。
「いやぁ、実はお腹が減り過ぎていて、黒ウサギさんも弄り回されているものだから、ついつい暇になってそこら辺を歩いていると、ちょうどいい食料だと思い思わず狩ってしまったのですが・・・・・・あ、ちゃんと麻酔使って眠らせているので、まだ殺してはいませんよ?」
その中身とは、かの有名な一角獣とほぼ同類の二角獣――バイコーンだった。
「――ッ! 何でバイコーンなんて見つけて、しかも狩猟するんですかッ!」
「美味しそうだったから。馬肉って、本当にいい食材なんですよ!」
「そういう問題ではありません!!」
「あ、あとこっちにも――」
「まだあるんですか!?」
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