第一話 箱庭召喚!
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かのように、その髪は赤かった。
「一刻程で戻ります! 皆さんはゆっくりと箱庭ライフを御堪能ございませ!」
一度軽く跳躍して(それでも化け物じみた跳躍力だが)外壁を足場にすると同時に、黒ウサギは弾丸のように加速して、あっという間に四人の視界から姿を消していた。
『貴様に、我が主催するゲームの挑戦権をやろう』
代わりに、今さっき目を覚ましたガルムが勝から少し距離を置いた真正面に立って、こちらを優雅に見ていた。声が誰から発せられたのか最初は分からなかったが、状況から考えて目の前の巨大犬ことガルムが発したものとしか考えられなかった。
「確認の為に訊きますが、ガルムの貴方がこの声を発しているので?」
『如何にも。我がゲームをクリアすれば、それ相応の恩恵を与えよう。さぁ、どうする?』
「だ、ダメですよ! ガルムは明らかに神格持ちで、更に凶悪な獣です! 下手をすれば、命を落とすことだって――」
「申し訳ありませんが、僕は元より、ゲームに参加する意思はありませんので。折角のお誘いですが、謹んでお断りさせていただきます」
ジンの言葉を遮って、勝は自分の意見を言い放つ。それを聞いたガルムは虚を突かれた様に一瞬だけ固まるが、すぐに先ほどと同じ状態に戻り、怒気を漂わせながら言い放つ。
『何故ゲームを受けない? このゲームには命を落とすリスクは無い。しかし、クリアすればそれに対して破格の恩恵を受ける事が出来るのだぞ?』
「生憎ですが、僕は自ら怪我をするかもしれないリスクを背負ってまで、必要のないものを得ようなどとは思いません」
『ぐ・・・・・・うぅ』
「ご用件が御済みでしたら、僕たちはこれで失礼させていただきます」
言い終わると同時に、彼は箱庭の外壁を潜ってその内へと入っていく。飛鳥、耀、ジンは少しばかりガルムの様子を見て、すぐに勝の後を追うのだった――
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