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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-12教わる、教える
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 昼食までの少しの時間を、少女は読書をして過ごす。


 昼食の時間になり、ミネアに声をかけられて、食堂に()りる。
 起こされて眠そうなマーニャ、まだまだ元気なホフマンと、四人が顔を(そろ)える。

「町で、少し話を聞いたのですが。トルネコさんは、船を買うつもりで、港町に向かったそうです」
(はな)から買う気でいるとか、大商人はスケールが違うな」
「ポポロの、おかあさんね」
「あの噂の大商人、トルネコさんと、お知り合いなんですか!?」
「ご本人は、知らないのですが。先ほど話したネネさんの奥さんが、トルネコさんなんですよ」
「そうなんですね!仕事のできるご主人に、行動的な奥様の、大商人のご夫婦か……憧れるなあ!」
「港町に行くなら、会うことになるか」
「それとも、すれ違いになるかもしれないね」
「ぜひ、お会いしたいですね!会えるといいなあ!」
「ああ。引き(こも)ってたから、会ってねえのか」
「そうなんですよね……。もったいないことを……。」
「魔物に、狙われてる、のよね。海にも、魔物は、いるのよね。……大丈夫、かな」
「海に出ようってのに、なんも考えてないってこたねえだろ。それなりに、人を(やと)うなりしてるんじゃねえか?」
「そう、よね」
「ところで、話は変わりますけど。教会の(よろい)を見たとき、おふたりでなにか話してましたよね。あれ、なんだったんですか?」

 話を変えたホフマンに、マーニャが答える。

「ああ、あれか。普通の鎧だったな」
「え?」
「魔力的なものなら兄さんも、それ以外でも私なら、なにかしら感じ取れるはずですが。兄さんも私も、なにも感じませんでした」
「えっ!?じゃあ、町の伝説は、ウソなんですか!?」

 ホフマンが大声を上げ、マーニャが顔を(しか)める。

「声がでけえよ」
「す、すみません!」
「あるいは、すり替えられたか」
「そんな、さらっと!大変なことじゃないですか!」
「騒いでどうにかなることでもねえだろ。飾って()(がた)がってるだけなら、黙っといてやるのが親切ってもんだ」
「それは、そうですが!……そうですね。どうしようも、ないですか」
「そういうこった」
「まあ、ないもののことは、いいとして。今日はゆっくり休んで、明日の朝は少し早く出て、港町に向かいましょうか」

 ホフマンの動揺が治まったのを見て取り、ミネアが話をまとめにかかる。

「はい、わかりました!」
「なら、眠気覚ましに、今からひと稼ぎしてくるか。ミネア、付き合えよ」
「わかった」
「踊るの?」
「ああ。嬢ちゃんも、来るか」
「うん!見たい!」
「え?マーニャさんは、魔法使いではないんですか?」
「マーニャは、踊りがお仕事の、踊り手さ
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