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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-11温泉とおねえさんとおにいさんたち
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たの?」
「……??」

(よく、わからないけど。おとうさんは、本当の親じゃ、ないから)

「たぶん、ちがう」
「あら、お母さんもそうなのね。……でも、まだ若いし。大丈夫よ!これから、これから!元気、出してね!」
「……?」

(本当に、よくわからないけど。(はげ)まして、くれてる?)

「ありがとう。頑張る」
「そうそう!こういうのも、努力が結構、大事なんだから!頑張ってね!」


 一方、男湯。

「はー、()みるぜ……。温泉てのは、いいもんだな」
「僕は、このにおいがちょっと苦手かな」

 (くつろ)ぐ兄弟に、ホフマンが疑問を投げかける。

「ところで、聞いていいのかわかりませんが。ユウさんは、どういう人なんですか?世間(せけん)()らずというだけでは、ちょっと説明がつかない気がするんですけど。運命がどうとかいうのも」
「うーん。あんま、勝手に言いふらすような話じゃねえんだがな」
「やっぱり、聞いたらまずいですか」
「何も言っておかないのも、かえって良くないですね。実は私たちは、最終的には世界を救うための旅をしているんです」
「そうなんですか!みなさんは、ただ者ではないと思ってました!」
「その鍵になるのが、彼女なんですが。そのために、魔物の目から隠す目的で、世間から隔離(かくり)されて育ったようで。旅の知識や戦いの技術は、年齢に()()わないほど、あるんですが。それ以外は。」
「ああ……なるほど。それで。」
「でも、その村が魔物に見つかって。」
「!……そ、それで、村は……?」
「残念ながら。助かったのは、彼女ひとりだそうです」
「……そうですか……」
「嬢ちゃんの前で変に落ち込んだり、気い使ったりするんじゃねえぞ」
「……そうですね……そうですね!ぼくが落ち込んでも、仕方ありませんもんね!ここは、明るくいかないと!」
「そうそう。その意気だ」


 温泉を出て、宿の部屋に戻る途中、三人を見つけた少女が追いついてくる。

「みんな」
「ユウ。温泉は、どうでしたか?」
「きもちよかった」
「それは、良かったですね」
「うん。……おとうさんに似てるのは、良くないの?」
「女性は、父親に似ると良いと聞いたことがありますし。良くないということは、ないと思いますが。なにか、あったんですか?」
「胸が、おとうさんに似たのかって。温泉で、おねえさんに言われた」
「……」
「わたしのおとうさんは、本当の親じゃないから。たぶん、ちがうって言ったんだけど。そしたら、若いからまだ大丈夫って、言われた。頑張ってって」
「……」
「なにが、大丈夫なの?」

 少女から目を()らし、ミネアはホフマンに話を振る。

「……ホフマンさん。お願いします」
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