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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-10信じる心、怯える心
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も一度は死にかけたんだ。自分の限界くらい、わかってる。絶対に死なない範囲で、あんたたちの役に立つよう頑張るから。そこは、認めてほしい」
「ま、そりゃ当然だな」
「では、よろしくお願いします」
「ああ……いや、はい!みなさん、よろしくお願いします!」

 決意も新たに、ホフマンは口調を改める。

「うん。よろしくね、おにいさん……ホフマン、さん」
「よろしくお願いします!ユウさん、マーニャさん、ミネアさん!ところで、みなさんお疲れですよね?砂漠(さばく)()()しはきついですし、まだ日も高いです。親父に言って部屋を用意しますから、夜まで休んで、それから出発しませんか?ぼくも、その間に準備ができますし。疲れがひどいようでしたら、もう一泊してもらってもいいですが」
「砂漠の南には、温泉の町があったよね。どうせゆっくり休むなら、そっちがいいかな」
「だな」
「では、夜までの休憩で、お願いできますか」
「任せてください!食事は休む前にしますか?起きてからにしますか?」
「あとでいいよね」
「ああ」
「わかりました!では、一旦失礼します!」

 ホフマンは、颯爽(さっそう)と部屋を出ていく。

「本当、別人だな。一時は、どうなることかと思ったが。役に立ちそうじゃねえか」
「本当だね。良識(りょうしき)のある人が増えて、助かるよ」
「あ?なんか言ったか?」
「言ったけど、もういいよ。だいたい(あきら)めてるから」


 用意された宿の部屋で三人は休み、ホフマンは身仕度(みじたく)と、馬車の準備を整える。

 日が落ちる頃、三人は起こされ、準備の整った食堂に案内される。

 食堂では、宿の主人が待ち構えていた。

「おかげ様で息子も立ち直ったみたいで、どうもありがとうございました。息子を、よろしくお願いします。たいしたものはありませんが、どうぞ召し上がってください。」
「すみません。ありがたく、いただきます」
「悪いな。まあ、息子のことは任せな。っても、連れてくだけだがな」
「また、そんな言い方を。でも実際、たいしたことはできないと思いますが。」
「息子が命を落としかけた洞窟から、無事に帰って来られるみなさんと、ご一緒させてもらえるのですから。こんなに、心強いことはありません。」
「まあ、命の保証だけはしてやれるか。普通ならわざわざしてやるようなもんじゃねえが、今回は嬢ちゃんの希望もあることだしな」
「約束、したから。逃げて、くれるのよね」
「逃げる……?おい、どういうことだ。」

 怪訝(けげん)な顔をし、ホフマンに向き直る主人。

「えーと、それは……」

 約束はしたものの、理解はできていないため、父親の(とが)める雰囲気に説明ができずに()(よど)むホフマン
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