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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-10信じる心、怯える心
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きは、逃げてもらいましょう」
「え?」
「運命に守られた私たちは、滅多(めった)なことでは死にません。いざというときには、ホフマンさんには、私たちを置いて。自分を最優先にして、逃げてもらいましょう」
「……でも。」
「ユウ。親しくなった人を、失うのは(つら)いことです。でも、失うことを闇雲(やみくも)(おそ)れて、人との関わりを()けて、ひとりで生きていくことは、できません。ホフマンさんも、それなりに戦う力があるようですし、一緒に来たいと言ってくれているんです。ここは練習だと思って、連れていってみましょう」
「……練習?」
「ええ。ユウは、旅のことの他に、世の中のこと、人との関わり方も、学んでいく必要があります。ホフマンさんから、人との関わり方を学びましょう」
「必要な、こと」
「兄さんがルーラを使えますし、ホフマンさんにもキメラの翼を渡しておけば、滅多なことはないでしょう。連れていきませんか?」
「……ほんとに、ちゃんと。逃げて、くれるなら。」
「では、ホフマンさんに、お話をしに行きましょうか」
「うん」


 再び、ホフマンの部屋を訪れる。

「お待たせしました、ホフマンさん。条件はありますが、それを守ってくれるなら、ぜひあなたについてきてもらいたいです」
「本当かい!なんでもするよ!なんでも、言ってくれ!」
「では。滅多なことはないとは思いますが、もしも本当に危なくなったときは。私たちを置いて、逃げてほしいのです。」
「えっ?……いや、それはできないよ。おれは、もう人を疑ったり、裏切ったりしないって決めたんだ。ついていくからには、あんたたちのために、命だって()けるよ」
「それなら、連れて行くことはできません。」
「どうして」
「ホフマンさんのお気持ちはありがたいのですが、こちらにも事情がありまして。私たちのためを、というか、彼女のためを思うなら、自分の命を最優先にして、絶対に()()びてほしいのです。死ぬ覚悟は、必要ありません。むしろ、迷惑です」
「……」
「理解しにくいことを言っているのは、わかっています。それでも、これは大事なことなのです。もう一度聞きますが、その条件を守ってでも、私たちと来てくれますか?」
「……」

 黙り込むホフマン。

 マーニャが口を挟む。

「うだうだ悩んでんなよ。守れるなら連れてく、できねえなら置いてく。それだけだ。来るのか、来ねえのか」
「……本当に、それが、彼女の。ユウさんの、ためなんだね?」
「ああ」
「……わかった。約束するよ。おれは、絶対に自分の命を守る。絶対に、死なない。どうやっても、生き延びる。だから、連れていってくれ」
「ユウ、いいですか?」
「……うん。本当に、絶対に、約束してね。」
「ああ。ただ、おれ
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