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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-10信じる心、怯える心
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ヤバい洗脳じゃねえだろうな」
「兄さんも、覗いてみたら」
「ふざけんな」
「本気なのに」

 ぼそぼそと話し合う兄弟。

「なあ、頼むよ!また、旅に出て、今度こそまともな男になりたいんだ!おれも戦えるし、迷惑はかけないから!」

 さらに熱心に、訴える若者。

「おい。どうするよ」
「体格もいいし、前衛(ぜんえい)向きみたいだね。助かることも、あるかもしれない」
「んじゃ、連れてくか」
「やった!」
「まって。」

 まとまりかけた話を、少女が(さえぎ)る。

「どうした、嬢ちゃん」
「ミネア。この人は、わたしたちと。おなじ、運命(うんめい)の、人?」
「……違いますね。」
「なら、だめ。」
「ど、どうして」
「死んじゃうから。」
「……?それは、旅に出れば、危ないこともあるだろうけど」
「ちがうの。わたしといると、みんな死んじゃうの。マーニャと、ミネアは、運命の人だから。だから、大丈夫なの。一緒に、いていいの。」
「運命……?」
「あなたは、ちがうから。だから、死んじゃうから。わたしと一緒に、きたらだめ。」

 混乱し、なおも()(つの)ろうとする若者を、ミネアが()める。

「ホフマンさん。少し、待ってもらえますか。私たちで、話をしますから。」
「あ、ああ。わかった、待ってるよ」

 善良な本質に目覚めた若者は、意味はわからないながらも、素直に引き下がる。
 三人は、一旦(いったん)、若者の部屋を出る。


 宿の休憩所に、落ち着く。

 ミネアが、(くち)()を切る。

「ユウ。ホフマンさんは、嫌いですか?」
「ううん。はじめは少し、落ち込んでたけど。いい人だから。だから、死んでほしくない」
「死ななければ、問題ないですか?」
「うん。だけど、だめだから。」
「ユウ。あなたと関わる人が、みんな死んでしまうわけではありませんよ」
「そうかも、しれないけど。でも、わからない。マーニャとミネアは、わかるから。」
「ユウ。確かに、私たちとの旅は、危険も多いでしょう。死ぬことも、あるかもしれません。だけどそれは、何も私たちとともにいるときだけに、限ったことではないんです」
「どういう、こと?」
「ここまでの旅で、何度も魔物に襲われましたね?」
「うん」
「それは、私たちだったからではありません。町を離れて旅をすれば、誰もが魔物に襲われます。ユウも私たちも、戦う力があるから、生きてここにたどり着けました。力のない者なら、それすらままなりません」
「……」
「私たちと一緒にいることで、危険になることも、確かにあるでしょう。でも、特別なことがない限り、一緒にいれば、かえって安全です」
「……でも。とくべつなことが、あったら。」
「そのと
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