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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-09裏切りと憎しみと
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)そうとした少女を、ミネアが()める。

「ユウ。私がしますから」
「でも。できるように、なったし。できることは、しないと」
「そうですね。でも、これから洞窟に(もぐ)るのです。何があるかわかりませんし、ユウはまだ魔力が少ないですから。練習なら余裕のあるときにすればいいですし、ここは温存(おんぞん)しておきましょう」
「うん、わかった。必要な、ことなのね。」
「はい」


 ミネアが少女の傷を癒し、少女が消耗しすぎないよう、マーニャが適度に魔法を使い、洞窟にたどり着く。

「洞窟ってだけで、気が進まねえのに。とんでもねえ辺鄙(へんぴ)なとこだな」
「世界で一番の宝物、なんていうくらいだからね」
「それも眉唾(まゆつば)だな。噂になるほどのもんが、いつまでも残ってるわきゃねえだろ」
「魔物に襲われたという話でもなかったからね。別に宝が()るってわけじゃないんだ、とにかく入ってみよう」
「だな。さっさと済ませようぜ」
「うん」


 洞窟に入ると、大きな扉が行く手を(はば)んでいる。
 マーニャが、軽く扉を押すも、びくともしない。

「なんだこりゃ。入れねえじゃねえか」

 ミネアが、力を込めて扉を押す。
 扉は(わず)かに()らぐが、やはり()かない。

「動かないわけではなさそうだ。三人で、押してみよう」
「やれやれ。いちいち、気を()ぎやがる」
「押せば、いいのね」

 三人が息を合わせ、力を込めて扉を押すと、重い音をたてて、扉が動き出す。

()くは、()きそうだが!ずいぶん、重いな!」
「気を、抜かないで!()()すると、すぐ、閉まりそう、だ!」
「おも、い。」

 力を(ゆる)めず押し続け、扉が半分ほど(ひら)く。

「こんだけ、()きゃ!いい、だろ!」
「じゃあ、三つ!数えたら!」
「わかっ、た。」
「一、二、三!」

 ミネアの掛け声で、三人が一斉(いっせい)に中に転がり込み、ゆっくりと、だが確実に、扉が閉まる。

「なん、とか。入れ、たね。」
「帰りは、やって。られねえ、な。リレミトが、あって。良かった、ぜ。」
「ほんと、に。兄さんの、洞窟嫌い、が。役に立った、ね。」
「つかれ、た。」

 しばらくその場に座り込み、息を整える。

 落ちついたところで、ミネアを先頭に、少女が(あと)に続き、殿(しんがり)にマーニャがついて、洞窟の探索を開始する。

「わたしが、前じゃないのは。洞窟が、あぶない、から?」
「そうです。洞窟の魔物は、周辺の魔物よりも強いことが多いですし、狭い場所では、回避も難しくなります。今はまだ、私のほうが、体力がありますし、(よろい)もありますからね」
「わか
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