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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-07心機一転
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ん」
「おめでとう」
「ありがとう。魔法はずっと、できないような気がしてたから。うれしい」


 その後も遭遇(そうぐう)する魔物を、少女が中心になって倒しつつ、まずはブランカを目指し、通路の洞窟を抜け、まだ日が高いうちに、ブランカの城下町に着く。

「ここが、ブランカか。つまんねえとこだな。酒場(さかば)もねえみてえだしよ」
「兄さん。着くなり、なんてことを」
「いつものことだろ」
「ユウがいるんだよ」
「……あー。()()かったか?」
「不味いだろう、普通に。(かり)にも祖国(そこく)なんだし」
「あー、嬢ちゃん。悪かったな」
「なにが?」
「……大丈夫みてえだな」
「それでも、気を付けてくれよ。今わからなくても、覚えてることだってあるんだから」
「わかったよ。悪かった。で、これからどうする?ここで休むか、このまま進むか」
「焦ることもない。今日はここで休んで、明日出よう。少し、話も聞いていきたいし」
「だな。んじゃ、ひとまず別行動にすっか。宿を取るにも、早えだろ」
「そうだね。酒場がないから、それで大丈夫だろう」
「酒場があると、だめなの?」
「兄さんは、お酒が好きだから。酒場のある町で(ほう)っておくと、危険なんですよ」
「おい」
「お酒に酔った人には、近付いたらだめってきいた。マーニャにも、近付いたらだめなの?」
「酔っているときは、やめておいたほうがいいですね」
「おいこら。オレは酒癖(さけぐせ)は悪かねえだろ」
「量を()ごせば、同じだよ」
「けんか、してるの?」

 言い合いを始めた兄弟に、少女が心配そうに問う。

 ミネアがはっとして答える。

「いえ、そういうわけでは。」
「わたしが、きいたから?」
「違いますよ。兄弟というのは、こういうものなんです。お互いに遠慮がないから、ときには言い合いになってしまうだけです」
「そうなの。わかった。仲がいいからなのね。」

 安心したように言う少女に、罰が悪そうにする兄弟。

「……本当に、(かしこ)いですね」
「……さっさと、行くぞ」
「わたしは、エンドールに行く前に、ブランカでお話を聞いていったんだけど。また、お話を聞くの?」
「そうですか。それなら、ユウは……本を読んでいたらどうですか?せっかく買ったのに、まだ読んでいないでしょう?」
「うん。……あ。」

 何かを思い出した少女に、ミネアが問う。

「どうしました?」
「あの、(かわ)(よろい)。村から出てすぐに、北の森の、木こりのおじさんにもらったの。普通の服だったから、そんなんじゃ旅はできないって。もう使わないなら、返しに行った方がいいのかな」
「あの鎧は、そういう(しな)だったんですね」
「一回やったもんを、
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