暁 〜小説投稿サイト〜
DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-07心機一転
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
していきましょう」
「うん」



 (ほこら)の宿で一夜(いちや)を明かし、一日休んで気力(きりょく)の充実した少女は、日課(にっか)をこなすため早朝に起き出す。

 青い海に目を楽しませながら海岸を走り込み、新調(しんちょう)したばかりの剣を振って、感覚を(つか)む。
 武器が良いせいか、いつもより、動きが鋭いように感じる。


 日課を終えて部屋に戻るところで、ミネアに会った。

「おはよう、ユウ。早いですね」
「おはよう。昨日は寝坊(ねぼう)しちゃったけど、いつもはこれくらいなの」
「そうですか。本当に頑張り屋さんですね、ユウは。」
「だって、強くなりたいから。必要なことだもの」

 喜んでくれるみんなは、もう、いなくても。
 かつて、確かにいた、みんなのために。
 頑張りたい気持ちは、変わらない。

 ミネアが、少女の頭を()でる。

「ユウは、偉いですね。必要だからといって、誰もがそれを、きちんとできるわけではありません。頑張ることは、とても良いことですが。あまり、思い()めないでくださいね。私も、兄さんも。あなたに強くなってほしいと思う以上に、今はあなたが心配です。無理していないなら、いいのですが。できることを、ゆっくり、やっていきましょうね。」

(ミネアは。マーニャも。強くなれるはずのわたしを、探してた。なのに、それよりも。心配、してる。)

 それは、かつてシンシアに言われ、そしてよくわからなかったこと。
 強くなってほしくないわけではない、ただ、心配している。

 どうして心配されているのか、まだ、よくわからないけれど。

(こういう、こと、だったのかな)

 はっきりと、自分に強さを求めていたはずの人に、言われたことで。
 かつてよりは、少し、わかった気がした。


 少女が身支度(みじたく)を整えている間に、ミネアがマーニャを起こし、朝食を()って、宿を出る。

 マーニャの魔法で、エンドールに飛ぶ。

「これが、ルーラ。すごいね。旅が、しやすくなるね」
「まだ、無理そうだが。嬢ちゃんも、そのうち使えるようになりそうだな」
「わかるの?」
大体(だいたい)な」
「どうして、わかるの?」
「なんとなくだ」
「なんとなく……?」
「ユウ。はずれたことはないから、大丈夫ですよ」
「そうなの……?」
「ええ。たぶん、魔力を感知(かんち)してるんだと思いますが。兄さんは、大体、(かん)で生きてるので。理屈(りくつ)は、よくわかりません」
「そうなの。わかった」
「嬢ちゃんは、メラとホイミは、習ったのか?」
「うん。でも、使えない」
「使えそうだから、あとで試してみろ」
「……使えないのに?」
「訓練を積んでい
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ