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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-06少女の休日
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しかし、羽根飾りくらいならともかく、使わない剣や鎧を持ち歩くのは、さすがに邪魔になる。

「うん、預かってもらう」

 会計を済ませ、荷物を引き取り、剣と鎧を預け、預かり所を出る。


「いろいろ買ってくれて、ありがとう。頑張って戦って、お金を稼ぐね」
「そんなこと、気にしなくていいんですよ。ユウはまだ、子供なんですから」
「うん。わかった。でも、魔物とは戦うんだから。お金は、ミネアがもらってね」
「そうですね。しばらくは、私が管理しましょう」
「なら、わたしの持ってるのも渡すね」
「それは、いいですから。ユウのお()(づか)いとして、持っておいてください」
「おこづかい?」
「自由に使っていいお金のことです。これから、色々欲しいものが出てくるでしょうから」
「いいの?」
「ええ。お金の使い方を覚えるのも、必要なことです。私も、みんなのお金と、自分のお金は、分けておきますから」
「わかった」
「さて、それじゃ少し早いけど、宿(やど)を取ろうか」
「それだがよ。エンドールもひと通り見たし、(ほこら)の宿に行かねえか」
「時間はあるし、それもいいね」
「ほこら?」
「元々は、エンドールとサントハイムを繋ぐ旅の扉があるとこなんだがな。今は旅の扉は使えねえが、海が見えるし景色が良くてな。宿のメシも旨いってんで評判なんだ」
「海は、聞いたことある。でも、見たことない」
「んじゃ、決まりだな」


 城下町を出て、北西に向かう。

 途中、魔物が出るが、マーニャが魔法で吹き飛ばす。

「すごい!マーニャも、すごい魔法が使えるのね!ふたりとも、すごいのね!」
「たいしたこたねえよ。嬢ちゃんは、使えねえのか?」
「いろいろ、教えてもらったけど。まだ、ニフラムしか使えない」
「……もうちょい、なんか使えそうに見えるがな。まあ、いい。今日は、嬢ちゃんは休みだ。オレに任せな」

 吹き飛んだ魔物から戦利品を回収しつつ、進む。

「なんだか、へんなにおいがする」
(しお)の香りですね」
「慣れりゃあ、悪いもんでもねえぜ」


 ほどなく、祠の宿に着く。

 宿の前に広がる海は、夕焼けに染まり、輝いていた。
 夕陽(ゆうひ)と海の輝きに負けず劣らず、少女が目を輝かせる。

「これが、海!すごい、きれい!外には、きれいなものが、たくさんあるのね!」
「おお。なかなかのもんだな」
「この時間もいいですが。昼間の青い海も、綺麗なんですよ」
「そうなの!たのしみ!」

 夕陽と海に見入る少女と、付き合うマーニャを残し、ミネアが宿を取りに中に入る。
 夕食の準備を頼み、戻ってきたミネアも夕陽が落ちるまで付き合い、三人は宿に入った。
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