暁 〜小説投稿サイト〜
DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-06少女の休日
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
景を、それを好ましく思った自分を、心に(きざ)んだ。



 結婚式がひと段落つき、新郎新婦が控え室に入ったところで、三人も会場を出る。

「楽しかったか?嬢ちゃん」
「うん!すごく、たのしかった!お姫様、きれいだった!」
「それなら、来て良かったですね。そろそろ、お(なか)()いたでしょう」
「うん」
「なら、城はあとにしてメシにすっか。店はいくつか、見当(けんとう)は付けてあるが。甘いもんは好きか?」
「うん。だいすき」
「なら、あそこにするか。城に近いが、脇道(わきみち)に入る穴場(あなば)の店があってな。メシもいけるが、焼き菓子が特に、評判でな」
「そうなの。たのしみ!」
「よし、んじゃ行くぞ」


 マーニャの案内で入った店で、昼食を取る。
 少女は、村ではもちろん、宿でも目にすることの無かった、手の込んだ料理に、菓子に、目を輝かせ、顔を(ほころ)ばせる。

 昼食のあとは城を見学し、華やかな宮殿に、少女はまたも目を輝かせる。
 (しろ)(づと)めの人々も、はしゃぐ少女の様子を、微笑ましく見守る。

 城のあとは町を巡り、店を眺める。
 客の目を引くよう工夫された様子に目移りする。
 必要なものがあれば言うように言われるが、あまりの物の多さに、必要かどうかもわからない。


「ユウ。本を読んでみませんか」

 本屋の前を通りかかったとき、ミネアが言った。

「本。魔法の勉強の、本?旅に必要な、知識の本?」
「そういうのではなくて。物語の本や、旅とはあまり関係ない知識の本です。面白いですよ」
「読んだこと、ないけど。読んだほうがいい?」
「そうですね。ユウは、旅の知識は、十分学んだようですし、旅の中でも学んでいけるでしょう。今、ユウが町を歩いていて、疑問に思うことの多くは、こうした本からも学ぶことができるんです。その()()聞いてもらってもいいんですが、それだけでは追いつかなそうですから。ユウは、知りたいことがたくさんあるでしょう?」
「うん。それなら、読みたい。」
「では、どれがいいか、選んでみましょうか」

 少女は迷いながら、助言を受けながら、今日見たお姫様を彷彿(ほうふつ)とさせるような物語を集めた本を一冊と、世界各地の風習(ふうしゅう)について書かれた本を一冊、選んだ。


 次に、武器屋の前を通りかかる。
 マーニャが、少女の武器を見る。

(どう)(つるぎ)か」
「使い慣れてるだろうとはいえ、少し頼りないね。合うものがあるか、見ていこうか」

 商品を見るが、少女の使い慣れた剣のような武器は無い。

「急に槍ってのは、無理があるよなあ」
「もっと(たび)()れてからなら、いいかもしれないけど」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ