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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-06少女の休日
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ね。ご用件は、以上でお済みですか?」
「はい。後でまた来ますが、今のところは。」
「毎度ありがとうございました。それでは、いってらっしゃいませ。」


 預かり所を、出る。

 トルネコのことも気になるが、会ってもいないのに、何をしようもない。

 気を取り直して、少女は聞く。

「ポポロがわたしを、おねえちゃんてよんだのは。わたしがマーニャを、おにいさまってよぶようなもの?」
「ぐっ……!引っ張りやがるな……!」
「そうですよ。自分よりも年上で、まだ子供だったり若かったりする相手は、男性ならお兄さん、女性ならお姉さんと言うんです」
「おじょうちゃんていうのは、女の子のことでいい?」
「そうですね。男の子なら、お坊ちゃんでしょうか」
「おとなの人は?」
「男性はおじさん、女性はおばさんですね。お年寄りなら、お爺さんにお婆さんです」

(お年寄り。老師(ろうし)くらいの、年上の人)

「わかった」
「おっさんおばさん、爺さん婆さんとか、不用意に言うなよ」
「どうして?」
半端(はんぱ)に年取った奴ほど、年寄り扱いされるのを嫌がるもんだ。全然、気にしねえ奴もいるがな」
「そうなの。……どうすればいいの?」

(よんだら、いけないのかな)

「若いほうで呼んどきゃ、間違いねえ」
「わかった」
「限度はあるがな。どう見ても無理な奴にまで、やったら逆効果だ。ただ、自分から言ってくる奴には逆らうな。合わせとけ」
「むずかしいね。でも、わかった。あの人は、おねえさんでいい?」

 少女が少し離れたところを通りすぎる女性を視線で示す。

「ギリギリってとこだが。そう言っとくのが、正解だな」
「兄さん……ユウ……」
「なんか間違ったこと言ったか?」
「……いや。間違ってはないね。必要なことではある」
「だろ。ところで、先にコロシアムでいいんだな?」
「そうだね。結婚式も、そろそろ始まる時間だし」
「結婚は、夫婦になることね。結婚式は、なにをするの?」
「神父様の前で、神様に(ちか)いを立てて、みんなにお祝いしてもらうんですよ」
「昨日も結婚式をしてたって聞いた。何度もするの?」
「普通は一回だな。離婚したんでもなきゃ」
「りこんってなに?王子様とお姫様は、りこんしたの?」
「おい。とんでもねえこと言い出すな」
「……兄さん」
「オレが悪いのか!?」
「ユウ。離婚のことは後で説明しますから、置いておいて。会場では、絶対に口に出さないでくださいね」
「わからないけど、わかった」
「この国の()()たりで、王族の結婚式は何日もかけて豪華にすることになっているそうです。お姫様の()(しょう)も、会場も華やかで、綺麗(きれい)ですよ。お姫様ご自身も、美しいと評判の方
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