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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-05学ぶ少女
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う)なんて、したことないのに!)

 緊張の糸が切れ、普段よりも眠りが深くなっていたが、(あせ)る少女に考える余裕は無く、急いで顔を洗い、身形(みなり)を整え、部屋を出る。


 食堂に下りると、まだ眠そうなマーニャと、今日もきちんとしたミネアが、朝食を()っていた。
 少女も店員に鍵を見せ、すぐに料理が運ばれてくる。

「ごめんなさい。寝坊はしたことなかったから、すると思わなかった」
「疲れていたんでしょう。気にしなくていいんですよ。兄さんは、これくらいが普通だし」
「オレは、夜型、なんだよ……」

 マーニャが欠伸(あくび)をする。

「でも、走り込みも()()りもできなかった」

 慣れない旅で、出発前に体力を消耗しないため、村を出てからどちらもしていなかった。
 今日はすぐに旅には出ないというし、このまま日課(にっか)をやめてしまうつもりは無かったので、出かける前に済ませておこうと思っていた。

「ユウは頑張り屋さんですね。兄さんに、爪の(あか)でも(せん)じて飲ませたい……」
「うるせえ……」
「だって、強くならないと。あのひとを、倒せない」

 どれほど強いかわからないが、多くの魔物を(ひき)いていたことは間違いない。
 強くならなければ、たどり着くこともできない。

「ユウ。焦らなくてもいいんですよ。旅をして、成長していけば、自然と力は付いていきます。(なま)けるのはいけませんが、疲れたときは休むことも必要です。今日はお休みにして、楽しく過ごしましょう。」

(師匠も、焦るなって、言ってた)

「……うん。わかった」
「それでは、食べ終わったら、出ましょうか。荷物は、どうしようかな」
「今夜も、ここに泊まるとも限らねえだろ。(ほこら)の宿とか、ボンモールまで行ってみるって手もあるしな。一旦(いったん)引き払って、預かり所に預けようぜ」

(荷物を、預ける。預かり所。)

「そうだね、そうしよう。お金も引き出さないといけないし」
「……そこに隠してやがったのか」
「本人しか引き出せないからね。必要な場所に必要なものがあって、良かったよ」
「ちっ、まあいい。嬢ちゃんも食い終わったな。じゃ、出るか」
「うん」


 宿を引き払い、預かり所へ向かう。

「預かり所は、どこにあるの?」
「教会の向かいですよ。私が、占いをしていたところの近くですね」
「預かり所は、お金がいるの?」
「条件はありますが、いりませんよ」
「預かり所は、お仕事じゃないの?お仕事は、お金を稼ぐためにするってきいた」
「預かり所は、よろず屋さんと言って、色々な物を売っているお店の(かた)がやっているのです。そのお店で買い物をしたことがあれば、ただで荷物を預か
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