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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-05学ぶ少女
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マーニャが話を変える。
少女が、問いで返す。
「よびすてって、なに?」
「名前をそのまま呼ぶことだよ。年上とか、目上の人間には、さん、とか、様、とかつけるもんだ。お兄様でもいいな」
「マーニャはわたしの、おにいさんじゃないのに?」
「オレがお前を、嬢ちゃんって言うようなもんだ」
「わかった。マーニャおにいさま。」
「……」
マーニャは再び黙り込み、ミネアはマーニャを疑惑の目で見る。
「……兄さん……女性に冷たいと思ったら、そんな趣味が……」
「馬鹿言ってんじゃねえ!」
「私は、ミネアでいいですからね。」
「……オレも、マーニャでいい……」
「どうして?」
「どうしてもだ!」
「親しい相手で、相手がいいと言えば、呼び捨てでいいんですよ。私たちは、仲間ですからね。」
「うん、わかった」
「ところで、これからのことですが。」
ぐったりしたマーニャを
後目
(
しりめ
)
に、ミネアがさらに話を変える。
「私たちは、エンドールに来て、随分になるんですが。ユウは、今日エンドールに着いたんですか?」
「うん。今日着いて、町で少しお話を聞いて、宿を取って、カジノでマーニャに怒られて、教会の近くでミネアに会ったの」
「兄さん……」
「な!なんだそりゃ!知らねーよ!」
「邪魔するなって、言ってた」
「全然、周りが見えてなかったんだね……」
「それが、どうしたの?」
「それなら、まだほとんど見て回っていないんですね。今はお城で結婚式もやってますし、明日は町とお城を見て回りましょうか。」
「うん。情報を集めるのね。」
「それもありますが、それはもうほとんど、私たちが知っていると思いますから。それより、世の中を知る意味でも、ユウは色々なものを見たほうがいいですね。色々な場所を楽しく見て回ることを観光というんですが、少し観光をしてみましょう。」
「楽しく……かんこう?」
「はい」
「でもわたしは、やらないといけないことがあるのに」
「やらなければならないことがあるということは、楽しんではいけないということではありませんよ。楽しみを知ることも、必要なことです。」
「……そっか。うん、わかった」
「よし!そういうことなら、オレに任せな!」
ぐったりしていたマーニャが、復活して話に入る。
「この町のことも、結構知り尽くしてるからな。危ねえ場所は避けて、嬢ちゃん向きの場所を、案内してやるぜ」
「確かに、そういうことは兄さんが得意だね」
「うん。よろしくお願いします」
「おう。そんじゃ、遅くならねえうちに引き上げるか」
「飲まないなんて、珍しいね」
「嬢ちゃんがいるしな。話もあんだろ」
「ああ」
食堂兼酒場から、それぞれの部屋に引き上げる。
少女はもらってきたお湯で
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