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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-04エンドールの兄弟
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なたのお名前は?」
「……みんなは、ユウって、呼んでた」
「では、ユウ。参りましょう。兄のマーニャは、カジノにいるはずです。」


 町の井戸で手巾を濡らし、少女の泣き()らした目を冷やしながら、ふたりはカジノに向かう。

「カジノは、子供がひとりで行くところじゃないんだって。行っても、大丈夫かな」
「私が一緒ですから。遊ぶわけではないし、大丈夫でしょう」

 ミネアを先頭に、カジノがある地下への階段を下りる。
 ミネアは少女に歩調(ほちょう)を合わせながらも、迷わずまっすぐ、派手な機械仕掛けの箱、スロットのあるほうへ向かい歩く。

 一台のスロットの前に、先ほど少女が声をかけ、怒られた青年が、まだ、いた。

(さっきの。ミネアと、似てるけど、似てない、人)

 ミネアが、青年に声をかける。

「兄さん。やっぱり、ここにいたのか。」

 機械を叩いていた青年が、ぎくりと動きを止める。

「まったく!僕が占いで稼いでも、全部カジノにつぎ込んで。兄さんの踊りの稼ぎだって少なくないのに、一体なにをやってるんだよ。」

(おどり。エンドールの、おどりてさん。この人は、おどりがお仕事)

「わ、わりい。……ん?こっちの、ちっこいのは?なんか、目がすげえことになってんな。お前が(おんな)子供(こども)を泣かせるなんざ、珍しいな」
「ちょっと、事情があって。僕たちが探していた、勇者様だよ。」
「ああ?こんなちっこい、嬢ちゃんがか?なんかの、間違いじゃねえのか」
「占いでみたんだ。間違いない」
「あー、そういうことなら、そうなんだろうな……。ま、ちょうどいいな。これからは、嬢ちゃんに、(やしな)ってもらおうぜ」
「おい、兄さん」
「やしなってって、なに?」
「ああん?宿とかメシとかの、面倒をみてもらうってことだよ」
「めしって、なに」
「……ほんと、ガキだな。」
「がきって、なに」
「ふたりとも。ここではなんだから、とりあえず出よう。そろそろ、食事にもいい時間だ」
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