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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-04エンドールの兄弟
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てやるんだからな!」

 他の人に話しかけようかと見回すが、あらわす感情に差はあっても、目の前の青年と同じく集中しているように見える。
 きょろきょろと(あた)りを見回す少女に、ブランカでみかけた四人組の女性と似た軽装の、若い女性が声をかけてきた。

「あら、お嬢ちゃん。ここは、子供がひとりで来るようなところじゃないのよ。」

(だから、怒られたのかな)

「そうなの。ごめんなさい」
「知らなかったのね。もういいから、早く帰りなさい。中には、(がら)の悪い人もいるから。」
「うん」

 女性に(うなが)され、階段を上がりカジノを出る。


 町に出て、歩き出す。

 人々はやはり忙しそうに行き()い、少女が声をかけようとするのにも気付かず通り過ぎたり、断って去って行ったりする。

 話を聞かせてくれる人を求めて歩き続け、(まち)(はず)れの教会の前にたどり着いた。

 (たたず)み考え込む兵士に、話しかける。

「あの。すみません」
「ああ、なんだい。」
「なにか、お話を聞かせてください」
「なにか?なにか、悩みとか、探しものでもあるのかい?それならオレよりも、あの人に占ってもらったらどうだ。」

 近くにいた青年を、指し示す。

「うらない」

(ブランカで聞いた。未来を教えてくれる、人。うらないしさん。さっきの、怒った人と、似てる?)

「ああ。全く、あの人の占いはよく当たる。オレもミネアさんのおかげで、どう生きれば良いのかがわかったよ。人はそれぞれ、色んな使命を持って生まれてくるんだなあ。なにか知りたいなら、君も占ってもらうといい。」
「うん。ありがとう」

 兵士から離れ、青年に近付く。

(また、怒られないかな)

「あの。うらないしさんですか」

 青年は微笑み、答える。

「そうですよ。」

(怒らない。似てるけど、やっぱり似てない?さっきの人じゃない、誰かに、似てる)

「あなたも、占いはいかがですか?十ゴールドで、あなたの未来をみて差し上げましょう。」

(うらないには、お金がいるんだ)

 旅人ではない普通の人は、仕事をしてお金を稼ぐという。

(この人は、うらないしさん。うらないが、お仕事)

「うん。お願い」
「では、占って差し上げましょう。」

 青年は手に持った水晶玉を目の前にかざし、目を閉じて意識を集中し、見開いて目の前の水晶玉を、さらにもっと奥の何かを、()()える。

「あなたの周りには、七つの光が見えます……。」

 少女は、周りを見回す。

(なにも、見えないけど。なんのことだろう)

「まだ、小さな光ですが、やがて導かれ、大きな光となり……。えっ!?
 も、
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