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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-03踏み出す少女
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せ、世間話してたんだから。お嬢ちゃん、聞きたいならそこで聞いておいで。」
「ありがとう」
女性たちが、談笑を再開する。
「ちょっと前に、黒い雲が東の空に流れていったのよ。不気味ったら無かったわ。」
「あたしも見たわ。その後だったかしら、世界を救うはずの勇者様が、死んだって噂を聞いたわよ。」
「いやだわ、
物騒
(
ぶっそう
)
な話ねえ。怪物が出るようになったのは、地獄の帝王とかいうのが蘇る、
前触
(
まえぶ
)
れだって噂だし。」
「武術大会のあと、しばらくは怪物も出なかったのにねえ。何がどうなってるんだか、ほんとに物騒な世の中だよ。」
(武術、大会。武術の、大きな、会。武術の訓練とか、試合する大きな会?)
「武術大会って言えば、大会に出てたデスピサロ。あれが、実は人間じゃなかったとか。」
(デスピサロ!武術大会に、出てた。)
「まあ、
道理
(
どうり
)
で。ただの人間にしては、強すぎると思ったわよ。」
「ただの、噂話だけどね。」
「
大層
(
たいそう
)
な
男
(
おとこ
)
前
(
まえ
)
だって、若い娘たちが騒いでたあれかい?あはは、人間じゃなかったんなら、納得だわ!」
「あたしは優勝した王子様のほうが、可愛くって良かったけどねえ。」
「まだちょっと若すぎるけど、あれも男前になりそうだったものね!」
「王子様だけに、感じも良かったしね。人間じゃないなんて噂されるのとは、大違いよ。」
「サントハイムの、アリーナ王子様だったわね。実は、うちの姫様が、アリーナ王子様に、想いを寄せてらしたとか。」
「あらまあ!今まさに、ボンモールのリック王子様と、結婚式の真っ最中の、モニカ姫様が!?」
「武術大会から、いくらも
経
(
た
)
ってないのよ。
流石
(
さすが
)
に、デマじゃないの?」
「王族のご結婚に、
惚
(
ほ
)
れた
腫
(
は
)
れたも無いでしょうよ。」
「それは、そうだけどねえ。いくらなんでも、早すぎよ。姫様も、まだまだ
焦
(
あせ
)
るようなお年でも無いのに。」
「そうよ。大体、優勝したのが、そのアリーナ王子様なのよ。それなら最初の約束通り、優勝者と、ご結婚なされば良かっただけじゃないの。あのモニカ姫様に限って、
袖
(
そで
)
にされるなんてこともあるまいし。」
「まあ、そうよねえ。やっぱり、デマかしらね。」
「さて、そろそろ家事に戻らなくっちゃ。」
「そうね。じゃあ、またね。」
「あら、そうだわ、あたし急いでたんだった。」
話にひと段落つき、散って行く女性たち。
女性たちを見送り、少女もまた歩きだす。
(デスピサロが、武術大会に出てた。武術大会で優勝したのは、サントハイムの、アリーナ王子様。デスピサロと戦って、勝った、人?)
宿の前を通りかかる。
まだ明るいが、賑わう町では宿が満室になることもあるという。
町を回
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