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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-03踏み出す少女
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旅ではあるが、いつも走り込んでいた、
鍛
(
きた
)
えられた足と慣れた靴で、足が痛むことも無い。
感情の戻った心は生き物を殺すことに
躊躇
(
ちゅうちょ
)
を覚えるが、経験もゴールドも必要だ。
倒し慣れてきた魔物たちを、見つける
都度
(
つど
)
倒し、戦利品を回収する。
ほどなく、西の洞窟にたどり着いた。
自然の洞窟には魔物が出るというが、人工の通路であるこの洞窟ではそれも無い。
行き交う人々を
眺
(
なが
)
めながら、少女も洞窟に足を踏み入れる。
洞窟の中に
佇
(
たたず
)
み、人の流れを見守る兵士に声をかける。
「あの。すみません」
「なんだい?」
「エンドールに行くのは、ここで合ってますか」
「そうだよ。ここは、エンドールとブランカを繋ぐ洞窟だ。」
「ありがとう」
エンドール側の出口近くの小部屋に、老人が座っている。
「あの。すみません」
「どうした?お嬢ちゃん。」
「こんなところで、なにしてるの?」
「この洞窟は、わしの長年の夢でな。行き交う人々を、見守っておるのじゃよ。お嬢ちゃんも、旅人かの?」
「うん」
「そうか。それなら、もし、トルネコという者に会ったら、この爺が心配していたと伝えてくれんか。」
(また、トルネコ。この人も、心配してる。知ってる、人だから。大事な、人だから?)
「うん、わかった」
「では、お嬢ちゃんも、気を付けてな。」
「うん。それじゃあね」
(気を付けて。色んな人に、言われた。わたしのことも、心配してる?知らない、人たちなのに?)
老人と別れ、洞窟を出る。
辺りは
見
(
み
)
通
(
とお
)
しの良い平原で、川を挟んで遠くに城が見える。
城を目指し、少女は再び平原を歩きだす。
また何度か魔物に
遭
(
あ
)
い、倒す。
城下町に着く。
ブランカよりもさらに大きく、立派で、
賑
(
にぎ
)
やかな町。
喧騒
(
けんそう
)
に
気
(
け
)
圧
(
お
)
されながらも足を踏み出し、近くにいた男に声をかける。
「あの。ここは、エンドールですか」
「そうだよ。エンドールの城下町へ、ようこそ!」
男は
気
(
き
)
安
(
やす
)
く答え、すぐに歩き去る。
周りを見ると、他の者たちも
速足
(
はやあし
)
で行き
交
(
か
)
っている。
(なんだか、みんな忙しそう)
それでも、情報は聞かなければならない。
町を歩き出し、声をかけやすそうな人を探す。
立ち止まり、
談笑
(
だんしょう
)
している女性たちを見つける。
ひとりの女性に、声をかける。
「あの。すみません」
「なんだい。見ないお嬢ちゃんだね。」
「なにか、お話をきかせてほしいの」
「なにかって言われてもねえ。」
別の女性が口を挟む。
「いいじゃないの。どう
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