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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-02悲しみの少女
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分が生き延びるためには、これはすぐにも食べたほうが良い。
村を出て初めて人に会い、少しだけ蘇りかけた感情が、生き延びたくなんて無いと訴えるが、冷静な行動を
止
(
と
)
めるほどの力は無い。
苦い木の実を噛み砕き、水で飲み
下
(
くだ
)
す。
隣の部屋の木こりに、声をかける。
「色々、ありがとう。それじゃあ、わたしは行くから。」
「けっ、やめてくんな!ケツが、かゆくならあ!」
木こりの返事を受け、家を出る。
南にあるという城を目指し、さらに森を進む。
何度か魔物に遭い、攻撃を受けるが、皮の鎧のおかげで、削られる体力が明らかに減っている。
僅
(
わず
)
かな感情は木こりを思い出して
戸
(
と
)
惑
(
まど
)
い、冷静な頭はこれで薬草が節約できると判断する。
日も暮れかかった頃、城に到着した。
「ここは、ブランカのお城だ。」
入り口にいた兵士が、教えてくれる。
「ここは、ブランカ。これが、お城。」
立ち並ぶ
石
(
いし
)
造
(
づく
)
りの立派な家々に、さらに立派な、巨大な建物。
山奥の村には、簡素な
木
(
き
)
造
(
づく
)
りの建物しか無かった。
余りの規模の違いに、ほとんど麻痺した感情も圧倒される。
元々、好奇心
旺盛
(
おうせい
)
な
年頃
(
としごろ
)
の少女。通常の状態であれば、はしゃぎ回っていただろう。
少しだけ浮き上がった心で辺りを見回すと、巨大な建物、城のほうから、数人の集団が歩いて来るのが見える。
装備を見るに、旅人の
一行
(
いっこう
)
だろうか。
武器防具で身を固めた先頭の男、これは、戦士。
続く、全身を
覆
(
おお
)
い隠すきっちりとした服の男、これは、
神職
(
しんしょく
)
の何か。
三番目の、肩も腕も足も
剥
(
む
)
き出しの軽装は動きやすそうだが、いかにも動きにくそうな
踵
(
かかと
)
の高い靴を履き、頭には動物の毛でできた二本の
角
(
つの
)
のような飾りをつけた女、これは、……わからない。全体として、旅に向いた格好とは思えない。
母と自分以外の女性は、初めて見る。外の女性は、これが普通なのだろうか。
最後の、大きな荷物を背負った、
身形
(
みなり
)
も
恰幅
(
かっぷく
)
も良い
年配
(
ねんぱい
)
の男、これは、商人。
好奇心の
赴
(
おもむ
)
くまま、先頭の戦士に声をかける。
「あなたたちも、旅をしているの?」
戦士は少女に目をやり、気安く応じる。
「ああ!ボクたちは、魔物たちを倒すために旅をしているんだ。キミも、ボクたちの仲間に、加わらないか?」
仲間。
村があんなことにならなければ、シンシアが一緒だったかもしれない。
浮き上がった心が、また少し沈む。
でも、弱い自分が、ひとりで旅するよりはと、冷静に判断する。
「仲間に、いれてく
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