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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-01山奥の少女
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ウ!」
師に連れられて、村の
最奥
(
さいおう
)
、地下倉庫の中へと辿り着く。
中で働いていた倉庫番の男が、顔を上げる。
「どうした?そんなに慌てて。」
「魔物が、攻めてきた!」
「どひゃー!それじゃ、戦わなくては!」
倉庫番はよく手入れされた武器を手に取り、外へと駆け出していく。
師は倉庫の奥の壁を操作し、隠し部屋の扉を開いた。
少女は、隠し部屋に押し込められる。
「師匠、どうしてみんな」
「いいか、よく聞けユウ。魔物たちの狙いは、お前の命!魔物たちは、お前が
目障
(
めざわ
)
りなのだ。」
「どうして」
「お前には、秘められた力がある。いつの日か、どんな邪悪な者でも倒せるくらいに、強くなるだろう。しかし、今のお前はまだ弱い。とにかく逃げて、
生
(
い
)
き
延
(
の
)
びるのだ!わかったなっ!」
「そんな、わかんないよ!ひとりで逃げて、生き延びるなんていやだ!」
師に
縋
(
すが
)
り
付
(
つ
)
こうとする少女を
遮
(
さえぎ
)
るように、隠し部屋の扉が閉じられる。
「師匠!待って!わたしも、戦う!師匠!」
隠し部屋の扉を何度も叩き、
引
(
ひ
)
っ
掻
(
か
)
くが、
開
(
あ
)
かない。
他に出口が無いかと、必死になって部屋の中を引っ掻きまわしているうちに、シンシアが扉を
開
(
ひら
)
いてあらわれた。
「シンシア!」
駆け寄り、縋り付く。
「シンシア、良かった!みんな、わたしを置いて、行っちゃうかと思った」
シンシアは少女を抱きとめ、抱き締め、
囁
(
ささや
)
く。
「ユウ……。今まで、君と一緒にいられて、とても楽しかったよ……。」
「シンシア?」
シンシアは少女の身体を離し、扉や壁を探って傷付いた少女の手を取り、苦笑する。
「本当に、ユウは
無茶
(
むちゃ
)
ばかりするね。……ホイミ。」
少女の傷が、
癒
(
い
)
える。
シンシアは、少女の瞳を
見据
(
みす
)
える。
「もう、治してはあげられないけれど。……大丈夫。君を、殺させはしない。……モシャス。」
シンシアの、姿が
歪
(
ゆが
)
む。
歪みが消えた時、少女の目の前には、鏡のように自分と同じ姿をした少女がいた。
「……シンシア?……どうして、モシャスなんて」
「さようなら。ユウ……。」
呆然
(
ぼうぜん
)
としている少女を置いて、少女の姿を写した若者は立ち去り、再び扉が閉じられる。
「……シンシア……シンシア!やだ!やめてよ!そんなの、いやだ!」
我
(
われ
)
に返った少女は、再び扉を、出口を探る。
魔物たちの重い足音が、戦いの音が、近付いてくる。
『魔物たちの狙いは、お前の命!魔物たちは、お前が目障りなのだ。』
師の言葉を、思い出す。
僅
(
わず
)
かに残った冷静な心
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